厳木ダム

厳木ダム（きゅうらぎダム）について

厳木ダムは、佐賀県唐津市に位置し、一級水系の松浦川水系に属するダムです。このダムは、国土交通省九州地方整備局によって管理されており、特定多目的ダム法のもとに設計されました。ダムの高さは117メートルで、重力式コンクリートダムとしてその威容を誇っています。また、ダムによって形成される人造湖は「さよの湖」という名で親しまれています。

背景

佐賀県は、松浦川の流域にあたる地域において、年間降水量が全国平均を上回る傾向があります。特に、夏には雨が集中するため、過去には台風や大雨による水害が頻発し、川の増水や氾濫が大きな問題となっていました。それを受けて、厳木ダムの建設が計画され、1987年に完成しました。このダムの設立は、地域住民の安全を守るための重要なステップとなったのです。

構造と機能

ダムには厳木ダム管理支所が併設されており、平日の8時30分から17時15分、土休日の9時から17時の間にダムカードを配布しています。このカードは、ダムを訪れた人々にとっての記念品となっています。

また、厳木ダムは天山発電所と連携して、揚水式水力発電にも利用されています。ダムの右岸に設置された放水口を通じて、地下水圧管が上部調整池である天山ダムと接続されており、電力需要の変動に応じた柔軟な発電が可能です。特に太陽光発電や風力発電で余剰となった電力を蓄え、夕方以降に水を流下することで、発電出力の平準化を実現しています。これは、クリーンエネルギーの有効活用に寄与する新しい取り組みであり、持続可能なエネルギー社会の構築にも貢献しています。

佐用の湧水

厳木ダムの近くには、厳木ダムスポーツ公園があります。ここには湧水があり、地域住民によるボランティア活動によって、水汲み場に屋根が設けられました。その後、湧水には「佐用の湧水」という愛称が付けられ、これはダム湖の「さよの湖」にちなんでいます。

アクセス

このダムは、交通の便も良く、JR唐津線の厳木駅から車で約15分、長崎自動車道の多久ICからはおよそ20分の距離にあります。また、ダム湖の右岸を通る県道厳木富士線は、厳木町と富士町を結ぶ重要な道路となっています。

まとめ

厳木ダムは、地域の治水対策とエネルギーの生産を両立させるための重要なインフラとして、その役割を果たしています。また、周辺環境に配慮しながら地域振興にも寄与しており、多くの人々に愛されています。

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