厳柱明

厳柱明（オム・ジュミョン）について

厳柱明（おむ・じゅみょん、嚴柱明、韓国語で 엄주명）は、1896年8月に漢城府で誕生した朝鮮の軍人、教育者として著名な人物です。彼は日本の統治時代に多くの役割を果たし、そのキャリアを通じてさまざまな影響を与えました。その本貫は寧越嚴氏であり、彼は創氏改名により徳産義豊という日本名を名乗っていました。

生い立ちと教育

厳の父は朝鮮総督府の中枢院参議を務め、著名な家柄で育った厳は、1907年に日本へ留学しました。日本では、李垠（のちの李王）との親戚関係もあり、彼の邸宅で小学校と中学校の初年度を学びました。続いて、1911年には学習院中等学科に入学し、その後も陸軍中央幼年学校で教育を受けました。

軍事に関心を持った厳は、1916年に士官候補生として近衛歩兵第2連隊に勤務し、陸軍士官学校第30期を卒業後は少尉としての任を果たしました。1923年には現役将校としての任を終えて教育の道に進み、進明女子高等普通学校で幹事職を占めました。

軍人としての活動とその後の人生

1937年、日中戦争が始まると、厳は朝鮮軍の一員として中国に派遣され、兵站や宣撫活動に従事しました。彼の教育者としてのキャリアと並行して、軍人としても日本の戦争に関与していたことは彼の後の評価に複雑な影響を与えました。1941年には勲六等単光旭日章を授与されるなど、その功績が認められました。

厳は戦後も踏み込んだ活動を続け、1948年には韓国軍に目覚しい経歴を持って入隊。朝鮮戦争の勃発と共に、韓国軍の幹部としての役割を果たし、最終的には陸軍准将にまで昇進しました。その後は退役し、さまざまな経済団体や教育機関の役職を歴任します。

親日行為と評価

厳柱明は彼の在職時代における日本軍との関与から多くの議論の的となりました。彼は1918年に日本軍の少尉に任官し、その後も戦争中に日本の軍事に協力していたことから、親日的行動として評価されました。2009年には親日反民族行為真相糾明委員会から、日本帝国主義に対する強い協力者として認定されることとなりました。

彼の行動は日本統治下の朝鮮における複雑な歴史の一部をなしており、そこには抵抗の意志や自らのアイデンティティを模索する様々な視点が含まれています。今もなお、厳の評価は分かれるところですが、彼の歴史における役割は確かに重要です。

最後の年々

厳は1961年に李垠を日本で見舞った後、晩年は病に侵され、1976年に自宅で亡くなるまで静かな生活を送っていました。彼の遺産は教育と軍の分野に辿りますが、その一方で歴史の中での賛否両論を呼ぶ存在でもあります。

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