厳紹璗

厳紹璗(げんしょうとう)博士は、20世紀を代表する中国の歴史学者の一人です。1940年9月に上海で生まれ、2022年8月6日に永眠されました。彼の専門は日本研究、古典文献学、そして比較文学と多岐に渡り、その卓越した研究成果は日中関係史研究に多大な貢献を果たしました。

北京大学を卒業後、同大学にて助教、講師、副教授を経て、1990年には教授の職に就きました。北京大学比較文学比較文化研究所所長を務めたほか、香港大学名誉教授の称号も得ています。学術界への貢献は北京大学に留まりません。中国比較文学学会副会長、京都大学、佛教大学、宮城学院女子大学、国際日本文化研究センター、国文学研究資料館など、多くの日本の大学において客員教授として招聘され、活発な研究活動と教育活動を行いました。

彼の学問的探究心は、日中関係史の解明に大きく貢献しました。特に、日中歴史共同研究における中国側委員としての活動は顕著です。古代・中近世史分科会のメンバーとして参加し、貴重な論文『古代中近世東アジア世界における日中関係史』を発表しました。この論文は、日中両国の歴史的関係を多角的に分析し、新たな知見をもたらしたと高く評価されています。

厳紹璗博士の功績は、数々の賞によって認められています。アジア太平洋出版協会出版賞学術書部門金賞、山片蟠桃賞、中国比較文学終身功労賞、国際中国文化研究終身功労賞など、その輝かしい受賞歴は、彼の研究の質の高さと国際的な影響力の大きさを物語っています。

厳紹璗博士の研究は、単なる学術的な探求にとどまりません。日中両国の相互理解促進に大きく寄与し、未来への架け橋を築く上で重要な役割を果たしました。彼の没は、学術界のみならず、日中関係の友好発展を願う多くの人々に深い悲しみをもたらしました。しかし、彼の残した膨大な研究成果は、今後も多くの研究者たちに刺激を与え続け、日中関係史研究の発展に貢献していくことでしょう。彼の業績は、後世に長く語り継がれるに違いありません。

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