友部達夫

友部達夫の生涯と政治活動

友部達夫は1928年12月5日に東京で生まれ、日本の政治界において重要な役割を果たした政治家及び実業家です。彼は、戦後の混乱期において、様々な立場で活動しました。高校卒業後、1945年には海軍兵学校に入校しましたが、敗戦により退校を余儀なくされることになります。その後、東京都立大学の人文学部を卒業し、生命保険会社に就職しました。

社会保険労務士としての活動

彼は社会保険労務士の資格を取得し、1980年には「日本中高年連盟」を立ち上げ、年金に関する無料電話相談サービスを開始しました。この取り組みは高齢化社会の中で、年金問題について多くの人々に役立つものでした。1983年には、日本中高年連盟を起点に「年金党」を結成し、衆院選には1回、参院選には4回出馬しましたが、いずれも落選。しかし、この活動は彼の政治活動の第一歩となりました。

参議院議員としての当選

1995年、友部は新進党に参加し、第17回参議院議員通常選挙で比例区から立候補して当選を果たします。しかし、彼の政治キャリアはここから思わぬ方向に進むこととなります。自身が設立した「オレンジ共済組合」が出資法違反で捜索を受け、同年12月には倒産してしまうのです。

この事件は、友部の選挙費用や政界工作費としての資金の私的流用を明らかにしました。政治資金の管理が大きな問題となり、社会的にも大きな波紋を呼びました。

逮捕とその後の影響

1997年、彼は参議院での逮捕許諾請求が可決され、逮捕されます。この事件では、彼だけでなく、オレンジ共済組合の理事や家族も逮捕されました。友部は、4ヶ月間も東京拘置所に勾留されることとなり、その間に登院ができなくなりました。4月には辞職勧告が提出されましたが、友部はそれを拒否します。この事例は、日本国憲法下で初めての議員辞職勧告決議の採択となりました。

2001年、最高裁で懲役10年の実刑が確定し、任期切れ直前に国会議員としての地位を失います。彼の不登院による歳費は約1億6000万円に達しましたが、ほとんどは被害者に差し押さえられました。彼が関与したオレンジ共済組合事件は、後の新進党解党の要因ともなります。

服役とその後の生活

友部は静岡刑務所に服役し、2008年に出所後は静かに自宅で生活を送っていました。彼の人生は波乱に満ちたものであり、政治家としての立場は崩れ去りましたが、彼の足跡は今でも多くの人々の記憶に残っています。

2012年1月28日、友部達夫は自宅で亡くなりました。彼は心不全のため、83歳で息を引き取りました。有名な政治家として名を馳せた彼の生涯は、多くの教訓を残すものであり、政治の厳しさを物語っています。

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