反天皇制運動連絡会

反天皇制運動連絡会（はんてんのうせいうんどうれんらくかい）、通称「反天連」は、1984年に昭和天皇制に反対する人々によって結成された市民団体です。彼らは、天皇制そのものに反対する立場から、皇室関連の様々な行事や靖国神社に対する抗議活動を展開してきました。

結成の背景と活動

反天連は、昭和記念公園開園反対闘争に関わっていた菅孝行や天野恵一らが中心となり、昭和天皇在位60年式典や大喪の礼、明仁天皇即位の礼など、皇室関連の大きな行事が相次いだ時期に活動を始めました。新左翼党派の反皇室闘争とは異なり、反天皇制そのものを主要な活動目標とし、皇室や靖国神社に関わる問題に焦点を当ててきました。

1991年には、皇室関連行事が一段落したことを理由に「発展的解散」を宣言しましたが、直後に「再結集」を呼びかけ、以降は3年ごとの組織見直しと解散・再結集を繰り返すようになりました。しかし、毎年集会やデモは継続して行われています。

特に2009年以降は、8月15日に東京都の在日本韓国YMCA会館から靖国神社に近い九段下交差点までデモ行進を行うことが恒例となっています。これに対し、行動する保守系の市民団体や右翼団体が抗議活動を行うなど、対立も発生しています。

2011年には、ジャーナリストの古谷経衡が反天連のデモに潜入取材を行い、その様子をブログで公開しました。

2017年には、渋谷で「終わりにしよう天皇制11・26大集会」を開催し、デモも実施しました。

近年の動向

BBCの報道によると、1980年代には集会に3000人ほどが集まっていたものの、近年は参加者が減少し高齢化が進んでいると指摘されています。

2019年には、自由民主党の杉田水脈衆議院議員が、反天連の本部の住所として誤った情報をツイッターに投稿し、議論を呼びました。

また、2019年10月22日には、即位礼正殿の儀に合わせて銀座でデモを行い、機動隊との間で揉み合いが発生し、3名が公務執行妨害で逮捕されるという事態も起きています。

同年12月には、渋谷で再び「終わりにしよう天皇制2019 大集会＆デモ」を開催しています。

主要メンバーと活動家

反天連の主要メンバーには、菅孝行、天野恵一などがいます。また、天野恵一、伊藤晃、太田昌国、梶川涼子、園良太、京極紀子らが主な執筆者として活動しています。

関連文献

反天連に関する研究としては、大山英幸、馬田正春、青山仁、保科銈之丞らの著作があります。これらの文献は、反天連の活動内容や歴史的背景、社会的な影響などを分析しており、反天皇制運動を理解する上で貴重な資料となっています。

関連項目と外部リンク

反天連の活動は、天皇制、象徴天皇制、菊タブー、反皇室闘争、天皇制廃止論、君主制廃止、共和主義などの概念と密接に関わっています。

また、反天連の代表的な活動家である菅孝行の論考は、以下の外部リンクから閲覧できます。
* 天皇制と闘うとはどういうことか（菅孝行） - 論座

もう一度検索