太田昌国

太田 昌国の生涯と活動

太田昌国（おおた まさくに）は、1943年に釧路市で誕生した日本の重要な思想評論家、映画評論家、編集者、翻訳家です。彼の活動は特にラテンアメリカの解放運動や市民運動への関心を中心に展開されており、その根幹にはアナキズム的思考が流れています。

経歴と活動の始まり

太田は1968年に東京外国語大学を卒業し、ロシア語を専攻しました。在学中に出版社からの内定を得ていたものの、あえなく取り消され、以降は翻訳や校正、さらには肉体労働をしながら国立国会図書館で研究を続けました。彼は、1960年代に発刊された『世界革命運動情報』に関与し、アジアやアフリカ、ラテンアメリカに関する重要な情報を発信しました。

労働と映画発表

1973年から1976年にかけてはメキシコやペルーで暮らし、労働をしながら多くの地域での解放運動に触れました。帰国後はボリビアのウカマウ映画集団の自主上映に大きく関与し、シネマテーク・インディアスを主宰しました。

特定の著作

著作『もう、たくさんだ! - メキシコ先住民蜂起の記録』や、1997年の『「ペルー人質事件」解読のための21章』では、実際の事件や運動に基づく記録を日本語に翻訳し広めました。また、現代企画室の編集長として、自身の出版活動を行い続けました。

グローバリズムへの批判

太田はアメリカ主導のグローバリズムと新自由主義に対して強い反対の立場をとり、また日本国内の問題として北朝鮮による日本人拉致問題についても意見を述べています。彼は排外主義が蔓延することへの懸念を表明し、冷戦中に無原則な北朝鮮礼賛を行ってきた左翼知識人に対する批判も行っています。

彼の著作『「拉致」異論 - 日朝関係をどう考えるか』では、歴史的な背景を掘り下げつつ、日本の植民地主義や帝国主義の継承についても触れています。特にクリストファー・コロンブスによるアメリカ大陸の発見以来の問題を提起し、現代における日本の立場を問い直しています。

パレスチナ問題への関与

パレスチナ問題については専門外としながらも、講演や執筆を行っており、時折このテーマを取り上げています。彼はまた、三菱重工爆破事件を起こした大道寺将司元死刑囚と友人関係にあり、その思想的意義について自由に表現を発信しています。

著作一覧

• - 『革命映画の創造 - ラテンアメリカ人民と共に』(1981年)
• - 『「ペルー人質事件」解読のための21章』(1997年)
• - 『「拉致」異論 - 日朝関係をどう考えるか』(2008年)

彼の多岐にわたる著作と活動は、日本国内外の様々な問題を浮き彫りにし、より深い理解を促進するための重要なものであると言えます。

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