反議会主義

反議会主義について

反議会主義とは、議会制民主主義及びその関連政治過程への積極的な参加を否定する見解です。この立場は主に、アナキズムや左翼共産主義の特徴として見られ、議会や選挙活動がプロレタリアートの直接行動を妨げ、受動的な態度を促進することでブルジョワ独裁の強化に寄与するとの認識があります。これは、革命的な変革を求める運動と対立するものであるため、反議会主義者は議会を道具として利用しない立場を貫きます。

代表的な潮流

反議会主義に基づく代表的な潮流には、イタリアのボルディガ派、オランダのパンネクック派、ドイツの共産主義労働者党などが存在します。これらの潮流はそれぞれ異なる背景を持ちながらも、共通して議会制度への批判とそれに代わる新しい政治形態の模索を行っています。

日本における反議会主義

日本においては戦前、さまざまな政治活動の中で反議会主義が表れました。特に、革命のために議会制度を利用することを主張した片山潜と、直接行動を唱えた幸徳秋水は論争を繰り広げました。この意見の対立は、両者がそれぞれの信念を堅持した結果として、最終的には別れを選ぶことになります。

革労協に関しては、議会選挙に対して白票を投じるという立場を取っています。これは議会主義を打破し、内乱的な闘いを促進するという意図があるものの、議会や選挙そのものを完全に否定しているわけではありません。この微妙な違いが反議会主義との境界線を形成しています。

現代における議論の展開

2007年には、元極左のアナキスト活動家だった外山恒一が東京都知事選挙に出馬し、彼の政見放送では「選挙では何も変わらない」と豪語しました。この発言は、オウム事件以降の集団ヒステリー社会に対抗するための意見として表明され、議会制民主主義への強い非難を引き起こしました。

彼は「選挙で何かが変わると思ったら大間違い」と述べ、従来の政治参加に対する無力感や失望感を巧みに表現しました。

まとめ

反議会主義はただの否定ではなく、政治への新しいアプローチを模索する意図を持っています。これは既成の枠組みに対する挑戦であり、その思想的背景は歴史的な潮流や現代の運動に深く根ざしています。これからの政治運動において、この視点は重要な一つの考え方として存在し続けるでしょう。

もう一度検索