反転フラップ式案内表示機

反転フラップ式案内表示機

反転フラップ式案内表示機とは、文字を上下に分割した複数のフラップを回転させることで情報を表示する装置です。この装置は、運用中の音や構造から「パタパタ式」や、開発したソラーリ社の名前から「ソラリー式」と呼ばれることがあります。主に鉄道駅や空港の発車標として使われており、時にはガソリンスタンドの数字表示にも用いられることがあります。

構造の特徴

この装置は小さな円盤で支えられた10〜50枚のフラップで構成されています。1枚のフラップの表面には文字または記号の下半分が、裏面には上半分が記載されており、回転することで視覚的に連続した表示を実現します。フラップが一斉に回転することで、文字や数字が変わる仕組みになっています。

フラップ自体には電気が不要で、日光の下でも比較的見やすい特徴を持っています。一方で、フラップの枚数や種類によって表示できる情報が限られているため、情報を増やす際には新しいフラップを作成する必要があります。また、メンテナンスや消耗品の管理が必要になることもあります。

世界各国での利用例

アルファベット圏

英語などのアルファベットを使用する国々では、フラップを1文字ごとに分割することで多様な表示パターンを可能にしています。たとえば、アメリカのアムトラックでは、長年運用されていたフィラデルフィア30丁目駅のフラップ式表示機が。最終的にLEDに交換されることが決まり、その後は博物館に移設され保存展示されています。

日本

日本では、1955年頃から鉄道駅でフラップ式発車時刻表示器が導入されました。近畿日本鉄道では、30000系車両にこの装置が採用された時期もありましたが、その後、LED表示器に置き換えられました。日本のテレビ番組でも、株価や選挙結果の発表などに使用され、特に1958年の衆議院選挙に際して初めて導入された事例が有名です。これ以降、テレビ番組『ザ・ベストテン』などでも、ランキングや得点を表示する際に使用されました。

最近では日本の空港や鉄道駅でLCDやLED式表示器に置き換えられ、反転フラップ式表示機は減少していますが、東京の一部駅や大阪国際[[空港]]などでは今なお使用されています。

台湾

台湾の台北駅では、1989年から利用されていた大型の反転フラップ式案内表示機が、摩耗や故障のため2019年にLED式に交換されました。

主なメーカー

反転フラップ式案内表示機を製造する企業には、新陽社、星光、京三製作所、富士通フロンテックなどがあります。特に京三製作所は1978年からこの分野に参入し、イタリアからのフラップユニットをカスタマイズして製品化しています。

まとめ

反転フラップ式案内表示機は、その独特で視覚的な表示方法から今もなお多くの人々に親しまれています。時代の変化とともに表現方法が進化していますが、独特の機能とデザインは多くの場面で活用されています。

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