収用委員会

収用委員会について

収用委員会は、地方自治法に基づき各都道府県に設置される行政委員会です。その主な役割は、土地収用法に従い、公共事業に必要な土地の収用に関する裁決や関連事務を行うことです。公正な手続きを通じて、公共の利益と個人の権利の保護を両立させる重要な役割を担っています。

法的根拠

収用委員会の法的根拠は、地方自治法第202条の2第5項および土地収用法に規定されています。

組織

収用委員会の組織に関する詳細な規定は、土地収用法によって定められています。

委員の構成

収用委員会は7人の委員で構成されます。委員の他に、委員が欠けた場合に備えて、2人以上の予備委員が任命されます。

委員の任期

委員および予備委員の任期は3年で、再任も可能です。

委員の任命

委員は、法律、経済、または行政に関して優れた知識と経験を持ち、公共の福祉に関して公正な判断ができる人物の中から選ばれます。都道府県議会の同意を得た上で、都道府県知事が任命します。

会長

委員の中から互選によって会長が選出されます。会長は収用委員会を代表し、議事やその他の会務を統括します。

事務局

収用委員会の事務を円滑に進めるため、必要な職員が配置されます。これらの職員は、都道府県知事が、当該都道府県の職員の中から会長の同意を得て任命します。また、都道府県の内部組織において、収用委員会の事務を処理することも可能です。

主な職務

収用委員会が取り扱う主な業務は以下の通りです。

裁決の手続き

1. 裁決申請: 事業者は、事業認定の告示後1年以内に、収用または使用しようとする土地が所在する都道府県の収用委員会に裁決を申請できます。
2. 関係者への通知: 収用委員会は、申請があった場合、市町村長に申請書類の写しを送付し、土地所有者や関係者に裁決申請があった旨を通知します。
3. 意見書の提出: 土地所有者や関係者は、市町村の公告日から2週間以内に意見書を提出することができます。
4. 審理: 収用委員会は、意見書提出期間終了後、速やかに審理を開始します。
5. 裁決: 審理の結果、収用委員会は申請を却下するか、収用または使用の裁決を行います。
6. 不服申し立て: 裁決に不服がある場合は、国土交通大臣に対して審査請求を行うことができます（損失補償に関する不服は当事者訴訟による）。

協議の確認

1. 協議成立の確認申請: 事業者と土地所有者などの間で、土地の権利取得や消滅に関する協議が成立した場合、事業者は収用裁決申請前に収用委員会に協議の確認を申請できます。
2. 関係者への通知: 収用委員会は、申請があった場合、市町村長に申請書類の写しを送付し、市町村長はそれを公告し、2週間公衆縦覧に供します。
3. 確認の効果: 収用委員会で確認が行われた場合、土地収用法の適用において、権利取得裁決と明渡裁決が同時に行われたものとみなされます。

関連事項

収用委員会に関連する事項として、以下の事例が挙げられます。

成田空港問題（三里塚闘争）
成田空港予定地の代執行
千葉県収用委員会会長襲撃事件
東京ゴミ戦争

外部リンク

* 収用委員会 - コトバンク

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