受田新吉

受田新吉の生涯と政治的活動

受田新吉（うけだ しんきち）は、1910年5月18日山口県大島郡大島町（現在の周防大島町）に生まれた昭和期の政治家です。彼は、日本大学の法学部を卒業し、教職に携わった後、政治の道に進みました。青年学校長や中学校の校長を歴任し、また山口県教職員組合の副委員長を務めていました。

政界入りとキャリアの発展

受田は無所属で政治活動を始め、その後日本社会党（当時は左右に分裂したため、右派社会党に属することもありました）に参加しました。さらに彼は民社党の結成にも関与し、党中央執行委員や国会議員団長としての役割を果たしました。彼の政治キャリアは12期にわたり、特に利害調整や政策提言において注目を浴びました。

受章と晩年

1963年8月、受田は大島町の公民館建設資金として10万円を寄付し、その功績により1964年4月18日に紺綬褒章を受章しました。政治活動を続けていた受田ですが、1979年に体調を崩し、声を失う病に見舞われたことで政治活動からの引退を決意しました。彼は後継者として元秘書の部谷孝之を選びました。

同年9月21日、肺癌により69歳で逝去しました。彼が亡くなった際には、勲一等旭日大綬章が追贈され、従七位から正三位に叙されました。部谷は第35回衆議院議員総選挙に当選し、受田の議席を引き継ぎました。

人柄と選挙戦略

受田新吉は選挙巧者としても知られています。選挙区である山口2区に戻る際、東京から岩国駅で特急から各駅停車に乗り換える際も、周辺の人々に「衆議院議員の受田です」と声をかけ、気軽に会話を交わしながら支持者を増やしていく姿勢が印象的でした。彼の地元に対する愛情は深く、多くの支持者に支えられていました。

受田の実弟、受田兵吉は長年大島町議を務め、さらに元秘書の王田威博も大島町議として2期を果たしました。これらの人間関係は、受田の政治活動の基盤となりました。

選挙歴

受田は多くの選挙に立候補し、連続して当選を果たしました。1947年の第23回衆議院議員総選挙では無所属で当選し、その後も日本社会党および右派社会党として、数多くの選挙で勝利を収めています。彼の選挙戦では、地元のニーズを反映させた学識と実行力が求められました。

• - 1947年4月 - 第23回衆議院議員総選挙（旧山口2区）無所属で当選
• - 1949年1月 - 日本社会党公認で当選
• - 1952年10月 - 右派社会党公認で当選
• - 1955年2月 - 右派社会党公認で当選
• - 1960年11月 - 民社党公認で当選

著書

受田新吉は自身の経験や考えを記した自叙伝『白道をゆく』を1979年に出版しています。この著作は彼の政治哲学や人生哲学を知る上で貴重な資料となっています。受田の業績は、彼が政治の場で果たした役割だけでなく、地域密着型の政治家としての姿勢でも評価されています。

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