古卿大知

古卿 大知

1980年9月4日に大阪府で生まれた古卿大知（ふるきみ だいち）は、プロ野球の元内野手。右投げ右打ちの選手でした。

高校、社会人時代

幼い頃から野球に打ち込み、大分県の柳ヶ浦高校に進学しました。3年生となった1998年の夏には、チームは全国高等学校野球選手権大会に出場。古卿選手は主軸打者としてチームを牽引しました。大会初戦では、当時「平成の怪物」として注目を集めていた松坂大輔投手を擁する神奈川県の横浜高校と対戦。初回に自ら二塁打を放つなど意地を見せましたが、試合は1対6で敗れ、惜しくも初戦で姿を消しました。

高校卒業後、古卿選手は故郷の大阪に戻り、社会人野球チームである中山製鋼所に入社します。しかし、野球を続ける環境はすぐに失われました。1999年の入社直後、チームの休部が決定したのです。野球を諦めきれなかった古卿選手は、その後、京都の日産車体京都へ移籍して競技を続けましたが、こちらも野球部が廃部となるという厳しい状況に直面します。度重なるチームの消滅にもめげず、再び野球を続ける場を求め、社会人野球のクラブチームとして活動を続けていた中山製鋼野球クラブに再び籍を置きました。

独立リーグでの活躍

2005年、新たな挑戦の場として四国アイランドリーグが誕生します。古卿選手はこの新設リーグのトライアウトを受験し、高知県を拠点とする高知ファイティングドッグスへの入団を決めました。リーグ創設メンバーの一人として、独立リーグでのキャリアをスタートさせます。

高知での2年目となる2006年には、チームのキャプテンに就任。精神的支柱としてもチームを支えました。2007年には、主に指名打者として活躍が認められ、リーグのベストナインに選出されています。

2009年には、四国アイランドリーグの優勝チームと他リーグの優勝チームが日本一を争うグランドチャンピオンシップに出場。第1戦では3打数2安打2四球と打撃でチームを牽引し、勝利に貢献しました。チームはそのままシリーズを制覇し、日本一に輝いています。

2010年からは、同じリーグ内の愛媛マンダリンパイレーツに移籍しました。愛媛での2年目、独立リーグ加入7年目となる2011年には、自身初の個人タイトルとなる首位打者に輝きます。この年の打率.372は、2016年までリーグのシーズン最高打率として記録に残る素晴らしい成績でした。

当時の愛媛の監督、星野おさむ氏（2011年就任）は、後にウェブサイトに寄せた文章で古卿選手への評価について述べています。当初は若い選手を支えるベテランとしての起用を考えていたそうですが、日々の練習や試合で見せる古卿選手の高い意識と真摯な姿勢を見て考えを改め、「チームにとって精神的な支柱」であると高く評価したと記しています。

現役引退、そしてその後

2011年10月13日、古卿選手はシーズン契約期間満了をもって愛媛マンダリンパイレーツを退団することが発表されました。この退団は、事実上の現役引退となりました。

独立リーグでの7年間で、古卿選手が積み上げた通算安打数は514本。これは、彼が退団した当時は四国アイランドリーグplusにおける歴代最多記録でした（翌年、香川オリーブガイナーズの国本和俊選手によってこの記録は更新されています）。長年にわたり主力打者として活躍した証と言えるでしょう。

現役を引退した後、古卿選手は新たな道へ進みました。高知ファイティングドッグスの球団スポンサーである焼き鳥店に就職したことが、高知球団の公式サイトで紹介されています。野球界を離れた後も、古巣である高知球団と縁のある場所でセカンドキャリアを歩んでいます。

独立リーグでの打撃成績は非公開のため詳細を記せませんが、背番号は高知時代に4番（2005年〜2007年）、39番（2008年〜2010年）、愛媛時代に7番（2011年）を着用しました。

古卿大知選手は、度重なる逆境を乗り越え独立リーグで輝かしい実績を残した選手として、そのキャリアを終えました。引退後も地元の繋がりを大切にしながら活躍しています。

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