古口美範

古口 美範について

古口美範（こぐち よしのり、1969年2月2日生まれ）は、栃木県上三川町で生まれ育ち、全日本プロドリフト選手権（D1グランプリ）で名を馳せたプロレーサーです。彼はチューニングショップ「KOGUCHI POWER」の代表でもあり、愛称「帝王古口」として知られています。

初期の経歴

古口は、サンプロス主催の「いかす走り屋チーム天国」に参加し、熊久保信重や平岡英郎らと共にK-STYLE with Rapidというチームで活動を始めます。彼は、第38回東北大会で個人戦優勝を果たし、団体戦でもチームを優勝に導くなど、早くからその才能を証明しました。

その後、D1グランプリ（D1GP）には初回から参加。しかし、当初はトレードマークの日産・180SX（RPS13）を駆使していたにもかかわらず、結果が伴わず、2003年以降の数年間はスランプに苦しむことになります。2004年にはHPIワークスから日産・シルビア（S15）を使用し、スポーツランドSUGOでのレースでは追走まで進出しましたが、その後はなかなか結果が出ず、ノーポイントで終わることも多くなりました。さらに、D1ストリートリーガル（D1SL）にもトヨタ・チェイサー（JZX100）で参戦しました。

2006年からの復調

2006年にはD1GPとD1SLの両方にD1SL仕様のチェイサーで参戦し、この年に復調を見せます。特にD1SLの第5戦では多くのシード選手を次々に破り、自身初となる優勝を飾ります。この勝利は、ファルケンタイヤ勢にとっても初のものとなり、「帝王」の名を再び広めたのです。

一方で、D1GPにおいてはスペックで劣るD1SL仕様では戦えないと感じ、2007年は改めて180SXで参戦。このレースではポイントを獲得し、富士の最終戦では初のD1GP決勝進出を果たし、準優勝を収めました。2008年にはダンロップにタイヤメーカーを変更し、富士での第2戦では見事な優勝を成し遂げました。

安定した成績とその後

2011年には第6戦エビスで2勝目を上げ、2012年にはチームBOSSからシルビア(S15)で参戦、5年ぶりにファルケンタイヤを履きました。2013年もチームBOSSに所属し、開催された開幕戦舞洲では自身3勝目を記録。その後2014年には一時参戦を休止しましたが、2015年にはDroo-Pからトヨタ・86での参戦を再開し、翌年も86で参加し続けました。

現在の活動

2017年以降はD1にエントリーしていませんが、2023年には審査員としてD1GPに参加しています。古口のドリフトへの情熱は途切れることなく、彼はこれまでの経験と知識をもとに若いドライバーたちの指導にも力を入れています。

人物像

古口美範は、速さと角度を追求したドリフトスタイルを持ち、その拘りから「帝王」と称されています。特に、彼のドリフトパフォーマンスは非常に評価されており、数々のドリフトイベントや競技での活躍がその名声を築きました。彼はまた、技術革新にも積極的で、エンジン搭載位置の後退やインタークーラーの水平マウント化といった改造を取り入れてきました。さらに、全日本学生ドリフト王座決定戦の審査員を務め、後進の育成にも関与しています。

古口のキャリアは、常に進化し続けるドリフト界において、彼自身の情熱と技術の結晶であり、多くのファンにとってのアイコンとなっています。

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