古庄幸一

古庄幸一：海上[[自衛隊]]の変革を求めた元海上幕僚長

古庄幸一（ふるしょう こういち）は、1946年生まれの日本の海上自衛官であり、第26代海上幕僚長を務めた人物です。退官後も、英霊にこたえる会会長や日本会議代表委員として活動しています。

海上幕僚長としての活動

海上幕僚長時代、古庄氏は防衛大綱の見直しを議論する「防衛力のあり方検討会議」において、自衛隊の組織改革を強く訴えました。特に、「統合運用体制への移行に際しての長官補佐体制」と題した文書では、以下の点を指摘しました。

防衛参事官制度の廃止： 創設から50年が経過した自衛隊において、防衛参事官制度は統合運用を円滑にする上で適切ではないと批判しました。
内閣府設置法61条の改正： 防衛事務次官に与えられていた自衛隊への「監督権」を削除し、統合幕僚長が自衛隊の運用に関する事務を所掌するよう明記することを求めました。

これらの提言は、当時の石破茂防衛庁長官からも支持されましたが、内局からの強い反発により、その時点では実現には至りませんでした。しかし、2009年には防衛省設置法改正によって、防衛参事官制度は廃止されました。

集団的自衛権に関する見解

古庄氏は、集団的自衛権についても積極的に発言しています。国際情勢が有志連合へと向かう中で、集団的自衛権は必然的に出てくる問題であるとし、以下のように述べています。

現在の法体系では、国際的な活動に十分に対応できない。
集団的自衛権が容認されれば、他国の海軍と同様に柔軟な任務遂行が可能になる。


これらの発言から、古庄氏が集団的自衛権の容認を強く支持していたことが伺えます。

自衛隊の国軍化への提言

古庄氏は、自衛隊の国軍化についても積極的に提言していました。「参院防衛省設置推進国会議員連盟」においては、海外派遣された自衛隊が「ジャパン・ネービー（日本海軍）」として認識されることを求め、「陸海空三軍」への名称変更を訴えました。これにより、自衛隊が国際社会でより理解されやすくなることを期待していました。

保守的な歴史認識

古庄氏は、保守的な歴史認識の持ち主としても知られています。2007年には、慰安婦問題に関する米下院決議案の全面撤回を求める要望書に賛同者として名を連ねました。また、国家基本問題研究所の理事も務めています。

略歴

古庄氏は、1969年に防衛大学校を卒業後、海上[[自衛隊]]に入隊しました。その後、様々な役職を歴任し、2003年には海上幕僚長に就任しました。

1946年：大分県で生まれる
1969年：防衛大学校卒業、海上[[自衛隊]]入隊
1986年：第14掃海隊司令
1993年：第39護衛隊司令
1996年：第3護衛隊群司令
1997年：練習艦隊司令官
1999年：第21代 阪神基地隊司令
2001年：第28代 護衛艦隊司令官
2002年：海上幕僚副長
2003年：第26代 海上幕僚長
2005年：退官
2016年：瑞宝重光章受章

退官後

退官後は、公益社団法人隊友会の常務理事を務めるなど、自衛隊関連の活動に携わっています。

まとめ

古庄幸一は、海上[[自衛隊]]の組織改革を主導し、集団的自衛権や自衛隊の国軍化について積極的に提言した人物です。その活動は多岐にわたり、日本の防衛政策に大きな影響を与えました。また、保守的な歴史観を持つ人物としても知られています。

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