古村敏比古

古村敏比古（ふるむら としひこ）は、1957年6月23日生まれ、東京都出身のサクソフォーン奏者です。彼の音楽キャリアは、中学・高校時代にベースを演奏していたことから始まりました。その後、友人の影響でサックスに転向し、音楽の世界に足を踏み入れます。明治学院大学に進学すると、フュージョンバンドで演奏を始め、そこで織田哲郎といった後の音楽仲間と出会いました。

大学在学中には、YAMAHA主催のコンテスト「EastWest」に出場し、審査員を務めていた鳴瀬喜博に才能を見出されます。鳴瀬に誘われたことがきっかけで、古村はバックスバニーに参加し、レコードデビューを果たしました。バックスバニーでは、ホーンアレンジも担当しています。

その後、金子マリ＆バックスバニーのサポートメンバー、そして大学時代からの友人である織田哲郎や北島健二らと「織田哲郎 & 9th IMAGE」といったユニットで活動。1982年からは、浜田省吾のライブにおける不動のメンバーとして、その音楽活動を支えることとなります。

古村の活動は、サックス奏者として多岐にわたります。矢沢永吉、中村あゆみ、中島みゆき、竹内まりや、尾崎豊、B'z、L'Arc〜en〜Ciel、CHAGE and ASKA、玉置浩二、吉田美奈子、TUBE、相川七瀬など、枚挙にいとまがないほどのミュージシャンのレコーディングやライブに参加しています。その幅広い音楽性と高い演奏技術は、多くのアーティストから信頼を集めています。

1991年には、アルバム『Gypsy Planet』でソロデビューを果たし、現在までに11枚のアルバムをリリースしています。1998年には、織田哲郎（ボーカル、ギター）、美久月千晴（ベース）、小田原豊（ドラムス）とバンド「DON'T LOOK BACK」を結成。これまでにシングル5枚、ミニアルバム1枚をリリースしています。このバンドで織田哲郎と再会を果たし、かつて共に活動していた「織田哲郎 & 9th IMAGE」時代からの絆を深めています。

現在は、ソロ活動に加えて、古川村やカンフル罪といったユニットでも活動を展開しています。彼の音楽は、ジャンルを超えた多様な表現を特徴としており、多くのファンを魅了し続けています。

人物像としては、お酒好きであること、プロ野球の東京ヤクルトスワローズのファンであること、プロレスを愛好していることが知られています。学生時代には、ピンク・フロイド、ジェスロ・タル、レッド・ツェッペリンといった英国ロック系の音楽に影響を受けました。サックスを始めたきっかけは、高校時代に友人に誘われてブラスバンド部に入部したことで、それ以前にはジェスロ・タルの影響でフルートを演奏していたこともあります。また、美術部にも所属していたという多彩な一面も持ち合わせています。

近年では「吹き語りライブ」と題したソロツアーも展開しており、自身の音楽観を表現しています。オフィシャルホームページでは「ひとりごと」と題した日記を公開しており、その独特なタイトルにも注目が集まっています。

古村敏比古は、その音楽的な才能と人間的な魅力で、多くの人々を惹きつけてやまない音楽家と言えるでしょう。

もう一度検索