古江 (広島市)

広島市西区古江：歴史と文化が息づく街

古江（ふるえ）は、広島市西区に位置する歴史ある地域です。かつて佐伯郡古田村の一部であり、古い時代には「古キ入江」と呼ばれていました。この地名は、天皇がこの地に船を着けたという故事に由来しますが、現在では海に接していません。古江には、数多くの史跡が点在し、武家茶道で知られる上田宗箇流の家元も所在するなど、豊かな歴史と文化が息づいています。

古江の概要

古江は、広島市中心部から西へ約3～5kmの距離に位置し、南向きの斜面が特徴です。地域内には、JR西日本山陽本線と広島電鉄宮島線が東西に走り、交通の便も比較的良好です。地域は、西広島バイパスより北側が古江上、広島電鉄宮島線より南側が古江新町、その中間の西側が古江西町、東側が古江東町となっています。古江東町と古江新町の境界付近には、広島電鉄宮島線の古江駅があります。

各町の人口と世帯数（2024年現在）

古江上：2,420人、939世帯
古江新町：1,802人、777世帯
古江西町：3,803人、1,519世帯
古江東町：2,672人、1,071世帯

古江地域の総人口は10,697人、世帯総数は4,306世帯となっています。

古江の歴史

古江の歴史は古く、1889年の町村制発足により、佐伯郡古江村と山田村が合併して佐伯郡古田村となりました。1873年には、古田尋常高等小学校（現在の古田小学校）が創立され、地域の教育を支えてきました。1922年には、広島電鉄宮島線古江駅が開業し、交通の利便性が向上しました。

1929年、古田村は広島市に編入され、旧村域は「古田町」となり、後に古江などの町名に変わりました。1945年の広島市への原子爆弾投下では、古江地区は奇跡的に被爆火災による消失を免れました。戦後、1947年には古田尋常高等小学校が広島市立古田小学校に改称され、1956年には広島学院中学校が開校しました。

古江の交通

バス: 西広島バイパス上に古江バスストップがあります。
鉄道: 広島電鉄宮島線古江駅が地域南部に位置しています。JRの最寄り駅は、西広島駅または新井口駅です。
道路: 西広島バイパスと広島県道71号広島湯来線が地域内を走っています。

古江の主な施設

宗教施設

新宮神社: 泉津事解男命、伊邪那美命を祀る神社。
誓立寺: 江戸時代に開かれた塾、幻華庵で浄土真宗の高僧、雲幢が教鞭をとった。
福蔵寺: 子宝を願う人々が参詣する寺。「子宝地蔵」「おびし地蔵」がある。
三輪明神広島分祠: 大神神社の分霊を祀る神社。

教育機関

ちどり幼稚園
古田幼稚園: ルドルフ・シュタイナーの教育論を取り入れた幼児教育を行っている。
広島市立古田小学校: 古江地区が広島市と合併する前の村名である古田村に由来する。
広島市立古田中学校: 古田小学校と同様に、学校名は古田村に由来する。
広島学院中学校・高等学校: イエズス会が設立したカトリックの男子校。

その他

上田流和風堂: 上田宗箇流の茶寮。広島城内にあった上田家上屋敷の茶室を再現している。
ふれあい花壇: 古江駅の空地が整備された花壇。

古江の史跡

漕出: 神功皇后が三韓征伐の際に立ち寄ったという伝説がある港。
古江西第一号貝塚遺跡: 縄文時代・弥生時代の土器・石器や、奈良時代の建造物跡が見つかっている。
街道松跡: 西国街道の存在を示す街道松が残っていた場所。
道路改修碑: 馬車が通れるように道路を改修したことを記念する碑。
四軒茶屋跡: 石内・伴・久地方面からの道路が西国街道と交わる地点にあった茶店の跡。
翠江園跡: 広島藩主浅野家の別邸跡。現在は広島学院中学校・高等学校となっている。
一楽山荘跡: 花見の名所だった場所。現在は住宅地になっている。
新宮の鼻: 昔は海に突き出た半島の先であり、目印とされた。

古江は、豊かな自然と歴史、文化が調和した魅力的な地域です。広島を訪れる際には、ぜひ古江にも足を運んでみてください。

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