古田元夫

古田元夫のプロフィール

古田元夫（ふるた もとお）は、1949年10月4日生まれの日本の歴史学者であり、特にベトナムの現代史に関する研究で知られています。東京大学の名誉教授及び客員教授として、学術的なサポートを続けており、また、2016年には日越大学の学長に就任しています。

学歴・経歴

古田は1949年に東京に生まれ、1968年に麻布高等学校を卒業後、1974年に東京大学教養学部のアジア科を卒業。その後、大学院へ進みますが、1978年に社会学研究科を中退し、東京大学の助手としてキャリアをスタートさせます。

1983年からは助教授として教鞭を執り、1995年には教授に昇進。さらに、1996年には東京大学大学院総合文化研究科の教授に就任し、地域文化研究における現代民族動態論を専門に研究しました。2001年から2003年には総合文化研究科長及び教養学部長を務め、また2004年から2005年には副学長を経験。その後、2009年には東京大学附属図書館の館長に就任しました。2015年には定年退職し、名誉教授及び客員教授となり、2016年には日越大学の学長に選任されました。

受賞歴

古田は多くの権威ある賞を受賞しており、1992年にはアジア経済研究所の発展途上国研究奨励賞を受賞したほか、ベトナム国家大学ハノイ校から名誉博士号が授与されています。さらに、2020年度には大同生命地域研究賞を受け、その業績が広く認められています。

著書

彼の著作には、ベトナムに関する深い知見が含まれています。例えば、1979年には『ベトナムからみた中国』を発表し、続いて1991年には「ベトナム人共産主義者の民族政策史」を大月書店から出版しました。また、同じく1991年には『歴史としてのベトナム戦争』や、1995年には『ベトナムの世界史――中華世界から東南アジア世界へ』を刊行しています。1996年に発表された『ベトナムの現在』や、1996年の『ホー・チ・ミン――民族解放とドイモイ』も注目すべき著作です。近年では2021年に『東南アジア史10講』を発表しています。

共著及び編著

古田は他の著者とともに多くの書籍を共著または編著しており、1998年には油井大三郎との共著で『世界の歴史 (28) 第二次世界大戦から米ソ対立へ』を出版しました。また、1999年には『「南」から見た世界 (2) 東南アジア・南アジア――地域自立への模索と葛藤』の編著をし、様々な視点からの研究を提示しています。

翻訳

さらに、彼は翻訳者としても活動しており、ガブリエル・コルコ著の『ベトナム戦争全史――歴史的戦争の解剖』を社会思想社から2001年に翻訳しました。

まとめ

古田元夫は、歴史学の分野において日本とベトナムの関係性を深く探求し、学界に多大な貢献をしてきた学者です。彼の業績は、ベトナム現代史の研究のみならず、アジア全体の歴史理解にも寄与しています。

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