台南空港
台南国際空港は、台湾南部の台南市南区に位置する空港です。かつては「台南基地」とも呼ばれ、軍事施設としての側面も併せ持っていますが、一般的には「台南空港」として知られています。この空港は、中華民国空軍第443戦術戦闘機連隊によって管理されており、航空機のメンテナンスを行う亜洲航空が本拠を置いています。
台南空港は、日本統治時代に開港して以来、南台湾の重要な玄関口として機能してきました。しかし、高雄飛行場の民間空港化や台湾高速鉄道の開業などにより、その地位は一時的に低下しました。しかし、国際空港化によって再び活性化し、現在は主に離島の馬公や金門への便が中心となっています。2016年の年間利用客数は、国内線が約25万9千人、国際線が約9万9千人でした。
台南空港の歴史は、日本統治時代にまで遡ります。1935年、台湾島内の民間定期便開放に伴い、台南州が飛行場用地の選定を開始しました。当初は台南州と高雄州の中間地点である岡山が候補に挙がりましたが、最終的に台南州は新豊郡永寧庄鞍子に飛行場を建設することを決定しました。
1937年に開港した当初は日本航空輸送の島内便のみでしたが、その後、馬公便も就航しました。1940年には旧海軍航空隊に接収され、現在の台南応用科技大学付近に新しい空港が開港しました。1947年、台南飛行場は軍民共用となり、永康庄の飛行場は廃止されました。
現在の旅客ターミナルビルは2002年に開業し、面積は約3,900平方メートルです。ターミナルの正面は飛行機を模したデザインが特徴です。ターミナルは小規模ですが、ほとんどの便がバスを利用した沖止め方式で搭乗・降機を行います。そのため、ターミナル自体はバスターミナルのような構造になっており、入口から搭乗用バスまでの移動距離が非常に短いのが特徴です。
バリアフリーにも対応しており、スロープやトイレ、授乳室も完備されています。チェックインカウンターにはユニー航空（自動チェックイン・購入機3台設置）とチャイナエアライン（チェックイン機なし）が入居しています。2015年には国際線増発に合わせて大規模な改装が行われ、カウンター数が増加するとともに、手荷物の受託もその場で行えるようになりました。出発口は便数に合わせて開門時間が設定されており、国際線の場合は出発30分前に開門します。トランジットやトランスファーの場合、手荷物は一旦返却されるため、注意が必要です。ロビーには荷物預かり所がなく、ロッカーも小型のものしか設置されていません。
ターミナル内には観光案内所があり、英語や日本語のパンフレットも用意されています。売店や航空警察派出所もありますが、レストランは廃止され、軽食のみの販売となっています。出発前の待合スペースは2箇所あり、座席数はやや多めに確保されています。旅客が利用できるのは1階と地下駐車場のみで、2階には空港事務所などがあります。館内は禁煙ですが、出入口横に喫煙コーナーが設けられています。
インフォメーションカウンターでは、VIPラウンジの利用手続きやレンタサイクル、携帯電話の充電サービスを無料で提供しています。また、Wi-Fiも無料で利用できます。2015年の改装時に台湾銀行による両替所が設置されました。ボーディングブリッジはなく、航空機へはバスとタラップで搭乗します。軍用空港でもあるため、滑走路や軍用施設の撮影は禁止されています。展望デッキなどの施設も設置されていません。ただし、航空祭開催日には空軍基地の一部が見学可能になります（外国人は申請が必要）。
空港前にはバス・タクシー乗り場と車寄せ、地下には駐車場が整備されています。
2020年以降、新型コロナウイルスの影響により、多くの定期便が運休、減便、経路変更となっています。
国内線
国際線
2023年8月現在、台湾高速鉄道の開通に伴い、台北線は廃止されました。
台南基地は、1941年10月1日に台南海軍航空隊が開隊し、第二次世界大戦後に中華民国空軍が接収して使用しています。かつてはアメリカ合衆国空軍も駐屯していました。1957年には米空軍の第24TMSがMGM-1マタドールを装備し、1962年まで台南空軍基地に配置されました。また、1958年にはMk 7核爆弾の倉庫が建設されました。
米空軍は、1965年から1967年までF-100Dスーパーセイバー戦闘機を装備した510戦術飛行隊を台南空港に派遣し、その後F-4Cを装備した523戦術飛行隊に置き換えられました。
1940年：旧海軍航空隊が接収
1941年10月1日：台南海軍航空隊が正式に開隊
1945年：日本敗戦に伴い中華民国空軍が接収
第1戦術戦闘航空団
第1中隊 - F-CK-1
第3中隊 - F-CK-1
第9中隊 - F-CK-1
F-84 (1953年～1964年)
F-86 (1954年～1988年)
F-100 (1965年～1967年)
F-4 (1966年～1979年)
F-5 (1962年～1995年)
F-CK-1 (2000年～)
台湾鉄路管理局西部幹線に隣接しており、台南市街地地下化の際に台南空港駅設置の計画もありましたが、旧台南南駅付近に開業することになり、旅客ターミナルからの乗り換えはやや不便です。現状の最寄駅は保安駅で、タクシーで約5分、100台湾ドル程度です。また、台南市バスも台南市内と空港を結んでいます。
(画像は省略)
[蕭文, 2012-12] (臺南文獻, 第2輯, 155-175頁)
[修瑞瑩, 2013年10月14日] (聯合報, p. A5)
中華民国空軍
台南海軍航空隊
[臺南航空站] (中国語)(英語)(日本語)
概要
台南空港は、日本統治時代に開港して以来、南台湾の重要な玄関口として機能してきました。しかし、高雄飛行場の民間空港化や台湾高速鉄道の開業などにより、その地位は一時的に低下しました。しかし、国際空港化によって再び活性化し、現在は主に離島の馬公や金門への便が中心となっています。2016年の年間利用客数は、国内線が約25万9千人、国際線が約9万9千人でした。
歴史
台南空港の歴史は、日本統治時代にまで遡ります。1935年、台湾島内の民間定期便開放に伴い、台南州が飛行場用地の選定を開始しました。当初は台南州と高雄州の中間地点である岡山が候補に挙がりましたが、最終的に台南州は新豊郡永寧庄鞍子に飛行場を建設することを決定しました。
1937年に開港した当初は日本航空輸送の島内便のみでしたが、その後、馬公便も就航しました。1940年には旧海軍航空隊に接収され、現在の台南応用科技大学付近に新しい空港が開港しました。1947年、台南飛行場は軍民共用となり、永康庄の飛行場は廃止されました。
旅客施設・サービス
現在の旅客ターミナルビルは2002年に開業し、面積は約3,900平方メートルです。ターミナルの正面は飛行機を模したデザインが特徴です。ターミナルは小規模ですが、ほとんどの便がバスを利用した沖止め方式で搭乗・降機を行います。そのため、ターミナル自体はバスターミナルのような構造になっており、入口から搭乗用バスまでの移動距離が非常に短いのが特徴です。
バリアフリーにも対応しており、スロープやトイレ、授乳室も完備されています。チェックインカウンターにはユニー航空（自動チェックイン・購入機3台設置）とチャイナエアライン（チェックイン機なし）が入居しています。2015年には国際線増発に合わせて大規模な改装が行われ、カウンター数が増加するとともに、手荷物の受託もその場で行えるようになりました。出発口は便数に合わせて開門時間が設定されており、国際線の場合は出発30分前に開門します。トランジットやトランスファーの場合、手荷物は一旦返却されるため、注意が必要です。ロビーには荷物預かり所がなく、ロッカーも小型のものしか設置されていません。
ターミナル内には観光案内所があり、英語や日本語のパンフレットも用意されています。売店や航空警察派出所もありますが、レストランは廃止され、軽食のみの販売となっています。出発前の待合スペースは2箇所あり、座席数はやや多めに確保されています。旅客が利用できるのは1階と地下駐車場のみで、2階には空港事務所などがあります。館内は禁煙ですが、出入口横に喫煙コーナーが設けられています。
インフォメーションカウンターでは、VIPラウンジの利用手続きやレンタサイクル、携帯電話の充電サービスを無料で提供しています。また、Wi-Fiも無料で利用できます。2015年の改装時に台湾銀行による両替所が設置されました。ボーディングブリッジはなく、航空機へはバスとタラップで搭乗します。軍用空港でもあるため、滑走路や軍用施設の撮影は禁止されています。展望デッキなどの施設も設置されていません。ただし、航空祭開催日には空軍基地の一部が見学可能になります（外国人は申請が必要）。
空港前にはバス・タクシー乗り場と車寄せ、地下には駐車場が整備されています。
就航航空会社と就航都市
2020年以降、新型コロナウイルスの影響により、多くの定期便が運休、減便、経路変更となっています。
国内線
国際線
2023年8月現在、台湾高速鉄道の開通に伴い、台北線は廃止されました。
中華民国空軍台南基地
台南基地は、1941年10月1日に台南海軍航空隊が開隊し、第二次世界大戦後に中華民国空軍が接収して使用しています。かつてはアメリカ合衆国空軍も駐屯していました。1957年には米空軍の第24TMSがMGM-1マタドールを装備し、1962年まで台南空軍基地に配置されました。また、1958年にはMk 7核爆弾の倉庫が建設されました。
米空軍は、1965年から1967年までF-100Dスーパーセイバー戦闘機を装備した510戦術飛行隊を台南空港に派遣し、その後F-4Cを装備した523戦術飛行隊に置き換えられました。
歴史
1940年：旧海軍航空隊が接収
1941年10月1日：台南海軍航空隊が正式に開隊
1945年：日本敗戦に伴い中華民国空軍が接収
配置部隊
第1戦術戦闘航空団
第1中隊 - F-CK-1
第3中隊 - F-CK-1
第9中隊 - F-CK-1
歴代運用機
F-84 (1953年～1964年)
F-86 (1954年～1988年)
F-100 (1965年～1967年)
F-4 (1966年～1979年)
F-5 (1962年～1995年)
F-CK-1 (2000年～)
空港へのアクセス
台湾鉄路管理局西部幹線に隣接しており、台南市街地地下化の際に台南空港駅設置の計画もありましたが、旧台南南駅付近に開業することになり、旅客ターミナルからの乗り換えはやや不便です。現状の最寄駅は保安駅で、タクシーで約5分、100台湾ドル程度です。また、台南市バスも台南市内と空港を結んでいます。
ギャラリー
(画像は省略)
脚注
[蕭文, 2012-12] (臺南文獻, 第2輯, 155-175頁)
[修瑞瑩, 2013年10月14日] (聯合報, p. A5)
関連項目
中華民国空軍
台南海軍航空隊
外部リンク
[臺南航空站] (中国語)(英語)(日本語)
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。