台湾の超高層建築物

台湾における超高層建築物について、その歴史的変遷、各都市の状況、そして今後の展望について解説します。

概要

台湾では、高層ビルを「大楼」や「大廈」と表記することが一般的です。2018年11月時点で、高さ150メートルを超える竣工済みの超高層建築物は56ヶ所存在し、その多くが台北市、新北市、台中市、高雄市に集中しています。アメリカ基準の400フィート（約120メートル）以上を基準とした場合、台中市が最も多く、次いで新北市、台北市、高雄市と続きます。

台湾は中央部を山脈が隔てており、人口の過半数が西海岸に集中しています。そのため、可住面積の確保という観点から、国土の狭さ、人口規模、経済力と比較して高層ビルの需要が高いと言えるでしょう。

台北都市圏

台湾の首都機能を持つ台北市は、戦前から1990年代前半まで、一貫して国内で最も高い建築物が建設されてきました。1980年代には120メートルを超える台電大楼が竣工し、1990年代には140メートルを超える国貿大楼や敦南摩天大楼が建設されました。

1990年代から約12年間は、高雄市のビル群が高さで首位を占めていましたが、2004年の台北101の竣工により再びその座を奪還しました。人口が最も多い新北市では、板橋区や三重区を中心に120メートル以上200メートル未満の高層ビルや高層住宅が増加しており、物件数では台中市に次いで多くなっています。

旧来の都心であった台北駅周辺の中正区から、市政府が移転した信義計画区のある信義区や大安区東部に高層ビルが集中しています。2014年以降は、台北駅周辺の西区門戸計画区や、台湾高速鉄道や台北捷運板南線が延伸した南港区の東区門戸計画区で、南港駅ビルを中心に高層ビルの建設が進んでいます。

台中市

台中市では、日本統治時代から官公署が集中していた西区が都心でした。戦後の経済成長と人口増加に伴い、1986年に郊外への都心移転を含む都市計画が策定され、1992年に七期重画区が始動しました。2010年には市政府と市議会の新庁舎が移転し、再開発が行われた西屯区の七期エリアには、多くの高層ビルが建設されています。

七期エリアは、台北の信義計画区の2倍以上の面積を持ち、容積率も高いため、200メートルを超える超高層ビルの必要性は薄く、120〜160メートルの物件が多く、台湾で最も多くの高層ビルが集中するエリアとなっています。

高雄市

港湾都市である高雄市は、台湾で2番目に大きな都市であり、1958年から大規模な再開発が行われてきました。1992年から数年間は、台湾で初めて150メートル、200メートル、300メートルを超える宏総亜太財経広場、長谷世貿大楼、高雄85大楼が竣工し、台北101が竣工するまでの約9年間、台湾で最も高い建築物の座を維持していました。

現在、高雄市では重厚長大産業からの転換を図り、高雄多功能経済貿易園区やアジア新湾区などの産業用地や軍用地を再開発する事例が増加しています。

各県市120メートル以上の超高層建築統計

各県市における120メートル以上の高層建築物の数は以下の通りです。この表では、左側の数字が低いほど、右側のより高いビルの件数を含んでいます。

基隆市・台南市: 120メートル以上2件（うち1件は140メートル以上）

最も高い建築物

ビルの高さは、アンテナやマストなどの付帯物を含めた高さ（pinnacle height measurement）で計測されます。高さが同じ場合は、等号 (=) で示します。可能な限り、付帯物を含む高さと、最上階の屋上の高さ（Standard architectural height measurement）も記載します。

未完成の建築物

建設・計画中の120メートル以上の高層建築物についても、情報が確認され次第追記します。

計画が進展しないもの・中断されたもの

計画されたものの、進展が見られない、または中断された高層建築物についても、情報が確認され次第追記します。

各県市で最も高い建築物

各県市で最も高い建築物についても、情報が確認され次第追記します。

歴史上の最も高い建築物の変遷

過去に台湾で最も高かった建築物の変遷についても、情報が確認され次第追記します。この項目は未完成であり、加筆・訂正にご協力いただける方を募集しています。

台湾の超高層建築物