台湾鉄路管理局DL2500型ディーゼル機関車

台湾鉄路管理局DL2500型ディーゼル機関車

台湾鉄路管理局（台鉄）DL2500型ディーゼル機関車は、主に駅構内や車両基地での入換作業に使用されるディーゼル機関車です。老朽化が進み、部品調達も困難になっていた従来の入換用機関車を置き換えるため、2016年から2018年にかけて計24両が導入されました。

導入の背景

台鉄では、長年使用されてきた10トンから20トン級の入換用機関車の老朽化が進んでおり、性能面での不足や保守部品の入手難が深刻化していました。これらの問題を解決し、入換作業の効率化を図るため、新型のディーゼル機関車24両を調達する計画が立てられました。

最終的に、総額4億3000万台湾元の予算で調達計画が進められ、台湾の宇晟機械工程が2億9000万台湾元で落札しました。製造は韓国の新盛システムが担当することになりました。しかし、過去に韓国製の車両で故障が多発した事例があったことから、現場の整備員の間では同様の問題発生が懸念されました。

リスク回避策

懸念されるリスクを回避するため、調達する24両の機関車は4回に分割して生産されることになりました。各生産段階で台鉄の職員が製造工場に派遣され、監督と検査を実施し、問題点を解決した後に台湾へ納入するという慎重な手順が取られました。また、台鉄は独立検証及び妥当性確認（IV&V）制度を導入し、テュフ・ラインランドの協力を得て、RAMS分析方式による保証期間内の技術サービスを受ける体制を構築しました。

安全性強化と運転士の監督管理

台鉄は、交通部の政策変更に合わせて安全性強化に取り組み、運転士の監督管理を徹底しました。具体的には、運転士の技能と健康診断に関する規定が改定され、国営鉄道の運転士免許に「車両入換用機関車の運転及び車両基地内を運転する運転士」という区分が追加されました。2020年からは、この区分の運転士免許の申請受付が開始されました。

主要諸元

DL2500型ディーゼル機関車は、米国カミンズ製のQSC8.3ディーゼルエンジンを搭載しています。このエンジンは、直列6気筒4ストロークで275馬力の出力を持ち、エンジンコントロールユニットを備えています。トルクコンバータには、日立ニコトランスミッションのTDCN-22-1056が採用され、2軸駆動で設計最高速度は25km/hです。500tの牽引能力を有しており、旧型の入換用機関車（最高速度15km/h、牽引能力150t～320t程度）と比較して大幅な性能向上が実現しました。

性能向上に加え、運転室には空調設備、扇風機、照明などが設置され、運転環境が大幅に改善されました。また、デッドマン装置、速度記録装置、留置用ブレーキ、消灯回送機能などの安全装置が追加され、列車の最後尾に連結して回送することが可能になりました。従来の機関車は回送時に長物車に積載する必要があったため、回送作業が大幅に効率化されました。

DL2500型の登場による影響

DL2500型の導入は、入換用機関車の狭小で粗末なイメージを一新しました。性能向上、安全性の強化、運転環境の改善により、入換作業の効率化と安全性の向上に大きく貢献しています。

配備駅

(配備駅の情報は、提供された資料には記載されていません。)

画像ギャラリー

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脚注

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外部リンク

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