台湾鉄路管理局DR2900型気動車

台湾鉄路管理局DR2900型気動車：東部幹線を彩った特急形気動車

台湾鉄路管理局DR2900型気動車は、1980年代に台湾鉄路管理局（台鉄）が導入した特急形気動車です。1982年に東部幹線が開通し、DR2800型による「自強号」の運行が開始されましたが、その人気から輸送力増強の必要が生じ、1986年にDR2900型とDR2950型が製造されました。DR2900型は10両、DR2950型は5両、合計15両が製造され、東部幹線の輸送を支えました。

車両概要

DR2900型は、DR2800型と同様に、両端に動力車のDR2900型を配置し、中間に電源用発電機を搭載した付随車のDR2950型を連結した3両編成を1ユニットとしています。最大で5ユニットを連結した15両編成で運用されました。車体はDR2800型と同じくステンレス製ですが、裾部の絞り込みを廃止し、より直線的なデザインとなりました。また、DR2800型では車内に設置されていた空調設備を屋根上に移設したことで、車内空間を広げ、定員増加を実現しました。

客用扉は当初手動式の折戸でしたが、2009年の更新修繕の際に自動扉に変更されました。DR2900型は片側1箇所、DR2950型は2箇所に扉が設置されました。エンジンは、当初カミンズ製NT855R4水平型（310HP）が各車両に搭載されていましたが、後にDR3000型と同じ350HPのエンジンに更新されました。DR2950型には、発電用として270HPのエンジンが搭載され、ユニット内の電源供給を担っていました。

運用

DR2900型は、主に東部幹線の「自強号」として活躍し、2013年からは台東機務分段に集中配置されました。また、屏東線の電化完了までは、潮州〜枋寮間を結ぶ区間車としても使用されました。しかし、2023年4月25日に定期運用から引退し、4月26日に樹林〜花蓮間を運行した臨時列車が最後の花道となりました。

DR2900型は、そのステンレスの車体と、特徴的な屋根上空調で、台湾の鉄道史に名を刻む車両となりました。長年にわたり、台湾の鉄道輸送を支えた功績は、今後も語り継がれるでしょう。

関連事項

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外部リンク

台湾鉄路管理局鉄道博物館網
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