屏東線

屏東線：台湾南部を縦断する鉄道の生命線

屏東線は、台湾南部を南北に貫く台湾鉄路管理局の鉄道路線です。高雄市の高雄駅から屏東県枋寮駅までを結んでおり、全長約61.3kmにわたるその路線は、台湾の鉄道ネットワークにおいて重要な役割を担っています。西部幹線の重要な一部として位置づけられ、台湾南部地域の交通を支える生命線となっています。

歴史：百年を超える軌跡

屏東線の歴史は古く、1907年に高雄港駅（旧打狗駅）から九曲堂駅間が開業したことに始まります。その後、幾多の困難を乗り越え、1913年には屏東駅（旧阿猴駅）まで延伸、下淡水渓鉄橋の完成も大きな出来事でした。全線開通は1941年と、長きにわたる建設の歴史を刻んでいます。戦時中には不要不急線として一時休止された区間もありましたが、1953年に復旧。その後も、複線化や電化といった近代化が進められ、現代の屏東線へと進化を遂げています。2018年には高雄市内区間が地下化され、新たな駅も開業。常に変化と発展を続ける路線と言えるでしょう。

路線概要：複線区間と単線区間

屏東線は全線電化されており、交流25,000Vの電圧が使用されています。しかし、路線全体が複線化されているわけではなく、複線区間と単線区間が混在しています。高雄駅から潮州駅間、そして南州駅から林辺駅間は複線化されており、スムーズな運行を可能にしています。一方で、潮州駅から南州駅間、林辺駅から枋寮駅間は単線となっています。このため、列車の運行頻度やダイヤ編成には、単線区間の制約が考慮されています。

近代化：複線化と電化の取り組み

屏東線の近代化は、複線化と電化の2つの大きな取り組みによって進められました。複線化事業は、戦前から段階的に進められ、1980年代には屏東駅までが複線化されました。2015年には潮州駅まで複線化が延伸され、輸送力の大幅な向上に貢献しています。一方、電化は1996年に屏東駅まで、そして2019年には全線に電化が完了し、より効率的で快適な運行を実現しました。

重要な施設：高屏渓鉄橋と潮州旧鉄橋

屏東線には、歴史的にも重要な施設がいくつか存在します。その一つが、高屏渓に架かる高屏渓鉄橋です。1987年には複線化に対応した新しい鉄橋に切り替えられましたが、その歴史は屏東線の歴史そのものと言えるでしょう。また、潮州旧鉄橋は、電化の際に新たな橋梁に切り替えられましたが、現在は自転車道として再利用され、地元住民に親しまれています。その歴史的価値が認められ、文化資産登録も検討されています。

運行形態：多様な列車が運行

屏東線では、様々な種類の列車が運行されています。区間列車は、高雄と枋寮間の各駅に停車し、地元住民の足として活躍しています。一方、長距離列車としては、西部幹線を走る対号列車（特急列車）や、南廻線と直通する列車があり、台湾各地へのアクセスを可能にしています。これらの列車には、様々な種類の車両が使用されています。

使用車両：多様な車両が活躍

屏東線では、自強号、莒光号、復興号といった特急・急行列車から、区間車や区間快速列車まで、様々な種類の車両が運行されています。EMU500、EMU600、EMU800といった電車のほか、気動車なども活躍しており、時代とともに車両も進化を遂げています。

駅一覧：多くの駅が点在

屏東線には、多くの駅が点在しており、沿線地域住民の生活に密着した路線となっています。各駅には、それぞれの地域の特徴が表れており、その土地の歴史や文化を感じ取ることができます。

まとめ：台湾南部を支える重要な路線

屏東線は、歴史と近代化が融合した、台湾南部を代表する鉄道路線です。その歴史、運行形態、車両、そして沿線風景など、様々な魅力を持つ屏東線は、今後も台湾南部地域の発展に大きく貢献していくことでしょう。

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