台3線

台3線：台湾の歴史と文化を繋ぐ幹線道路

台3線は、台湾北部の台北市から南部の屏東県までを縦断する、全長436.286kmの省道です。その長い道のりは、台湾の歴史、文化、そして人々の生活を映し出す鏡のようです。

内山公路としての台3線

「内山公路」という別名が示すように、台3線は台湾西部の山間部や丘陵地帯を縫うように走っています。この道は、単なる移動手段としてだけでなく、地域間の交流や物資の輸送を担う重要な役割を果たしてきました。特に、客家の人々が暮らす集落（客家庄）を16箇所も通過することから、客家文化を色濃く感じられるルートとして知られています。

歴史的背景

清朝時代、台3線の一部は、漢民族の居住地域と台湾原住民の居住地域との境界線である「漢番交界線」でした。この境界線は、両者の衝突を防ぐためのものであり、通行には許可が必要でした。また、日本統治時代には、軍用道路として「中豊公路」の一部が建設され、現在の台3線の基礎となりました。戦後には、軍事的な目的で「澐密戦備道路」が建設されるなど、台3線は台湾の歴史とともに歩んできた道であると言えます。

現代における台3線

21世紀に入り、台3線は山間部の農業や観光を支える重要な道路として、その役割を変化させてきました。沿線には、美しい自然、豊かな農作物、そして独自の文化が息づいており、多くの観光客を魅了しています。

「ロマンチック台三線」政策

2017年からは、蔡英文総統の提唱により、「ロマンチック台三線」という政策が推進されています。これは、台3線沿線の文化、環境、産業の調和を図り、農業と観光を活性化させることを目的としたものです。

具体的には、自然歩道やバス路線の整備、客家集落の景観保全、客家文化の振興、アートイベントの開催、茶畑の整備など、多岐にわたる取り組みが行われています。また、台3線の自然、文化、食をテーマとした観光ルートの策定や広報、飲食業や観光業における雇用創出や起業支援なども行われています。

台3線の概要

総延長: 436.286Km
起点: 台北市忠孝西路
終点: 屏東県屏東市（建國路及び和生路の交差地点）

台3線が通過する主な自治体

台北市
中正区、万華区
新北市
板橋区、土城区、三峽区
桃園市
大渓区、龍潭区、平鎮区
新竹県
関西鎮、横山郷、竹東鎮、北埔郷、峨眉郷
苗栗県
頭份市、三湾郷、南庄郷、獅潭郷、大湖郷、卓蘭鎮
台中市
東勢区、石岡区、豊原区、潭子区、北屯区、北区、東区、南区、大里区、霧峰区
南投県
草屯鎮、南投市、名間郷、竹山鎮
雲林県
林内郷、斗六市、古坑郷
嘉義県
梅山郷、竹崎郷、番路郷、中埔郷、大埔郷
台南市
楠西区、玉井区、南化区
高雄市
内門区、旗山区
屏東県
里港郷、九如郷、屏東市

支線

台3線には、以下の3つの支線があります。

台3甲線: 南投県草屯鎮から中興新村を経て同県南投市に至る、全長11.713kmの道路。
台3乙線: 桃園市大渓区から石門ダムを経て同市龍潭区に至る、全長12.095kmの道路。
台3丙線: 南投県集集鎮から集集攔河堰を経て同県竹山鎮に至る、全長7.124kmの道路。

高速道路との接続

台3線は、多くの高速道路と接続しており、広範囲な移動を可能にしています。

土城IC
大渓IC
龍潭IC
豐原端
霧峰IC
舊正IC
中興IC
名間IC
竹山IC
南雲IC
斗六IC
旗山端
里港IC
九如IC

快速道路との接続

台3線は、いくつかの快速道路とも接続しています。

板橋IC
土城二IC
竹東端
獅潭端
潭子IC
霧峰IC
古坑IC
玉井端


台3線は、単なる道路以上の存在であり、台湾の歴史、文化、そして人々の生活を繋ぐ重要な動脈です。この道を旅することで、台湾の奥深い魅力を発見することができるでしょう。

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