東勢区

東勢区の概要

東勢区（ドンシー/とうせい-く）は、台中市の北東部に位置する市轄区です。大甲渓と大安渓に挟まれた場所にあり、東は和平区、西は石岡区と后里区、南は新社区、北は大安渓を隔てて卓蘭鎮と接しています。総面積は117.4065平方キロメートルで、台中市内で3番目に広い鎮郷です。

地理的特徴

東西に約4キロメートル、南北に約20キロメートルと細長い形状をしており、大甲渓の河岸段丘と東勢丘陵地帯が主な地形です。東南が高く、西南が低い傾斜地で、標高は300～420メートル程度、平均傾斜度は1.10%となっています。区内には石角渓や中嵙渓が流れ、大甲渓に合流しています。大甲渓と豊勢路の間には10～20メートルの谷があり、都市開発の妨げとなっています。

丘陵地帯が大部分を占め、平地はわずかに大甲渓東岸に存在します。最高地点は区の東南にある慶福里と和平区の境界付近で標高1,179メートル、最低地点は埤頭里西南方の大甲渓で標高243メートルです。

中央山脈と台中盆地の間に位置するため、温暖多雨な気候で、果物栽培に適しています。梨、桃、ミカン、柿、葡萄などが特産品です。

歴史

東勢区は、かつて「東勢角」と呼ばれていました。1920年に「東勢庄」、1933年に「東勢街」となり、時代を経て現在の区名に至ります。漢人による開発以前は、タイヤル族や拍宰海族の集落が点在する地域でした。雍正年間に広東からの入植が始まり、乾隆年間には官憲が移民を正式に認めるようになりました。

1778年、社寮角を中心に原住民との交易が開始され、清朝が交易を統括すると共に、原住民から漢人の権益を守りました。同時に、大甲渓東岸に匠工寮舍が設置され、漢人の入植が進みました。1784年には、曽安栄らが同郷者を率いて入植し、大規模な開発を行いました。

清代初期、東勢地区は諸羅県貓霧堡樸仔籬社群の一部でしたが、雍正年間には彰化県に属し、東、西二堡に分割されました。1887年には福建台湾省が設置され、東勢地区の匠寮庄には撫墾局が設置されました。

1895年に日本による統治が始まると、撫墾制が踏襲され、民政支部が設置されました。1899年7月に台中県の下部組織として東勢角支署が成立し、区役場が設置されました。1902年には、東勢角支庁に改編され、1920年の庄制施行まで続きました。

台湾の中華民国への編入後は、台中県東勢鎮となり、2010年の台中県市合併により直轄市に昇格し、現在の東勢区となりました。

経済と行政

東勢区は、農業が盛んで、特に果物栽培が経済の中心です。行政区としては、区長が行政を担っています。

教育機関

区内には、以下の教育機関があります。

高級中学: 私立玉山高級中学
高級職校: 国立東勢高級工業職業学校
国民中学: 台中市立東華国民中学、台中市立東勢国民中学、台中市立東新国民中学
国民小学: 各所に小学校が設置されています。

交通

区内には、公共交通機関や道路網が整備されており、近隣地域へのアクセスが可能です。

観光スポット

東勢区には、自然や歴史、文化に触れることができる様々な観光スポットがあります。

東勢林場: 広大な森林の中で自然を満喫できます。
四角林林場: 自然歩道やキャンプ場があります。
東勢河浜公園: 河川敷を利用した公園です。
東勢巧聖仙師祖廟: 歴史ある廟です。
義渡碑坊: 歴史的な碑です。
文昌廟: 学問の神様を祀る廟です。
新伯公劉家古厝: 歴史的な家屋です。
観瀛橋: 橋からの景色が楽しめます。
梨文化館: 梨に関する展示があります。
客家文物館: 客家文化に関する展示があります。
東勢本圳: 灌漑用水路です。
大安渓大峡谷: 壮大な峡谷です。
東豊自行車緑廊: サイクリングロードです。
東勢客家文化園区: 客家文化を紹介する施設です。

関連項目

東勢区に関連する情報や周辺地域に関する情報は、他の関連する項目をご参照ください。

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