司法のあり方を検証・提言する議員連盟

司法のあり方を検証・提言する議員連盟の概要

この議員連盟は、民主党会派の国会議員を中心に結成され、2010年4月28日に初会合が開かれました。結成の背景には、陸山会事件における東京第5検察審査会の全会一致による「起訴相当」議決がありました。これは、不起訴処分を受けた小沢一郎に対するもので、その後、再度の審査会議決があれば強制起訴される可能性が報じられたことが影響しています。

この議員連盟の会長には滝実、事務局長には弁護士の辻恵が就任し、参加した議員は約20名です。その中には、小沢一郎に近いとされる石井一や松木謙公、山尾志桜里のほか、北教組事件や鈴木宗男事件に関連する議員も名を連ねました。

初会合の提言

初の会合では、検察審査会制度の見直しを求める方針が確認されました。会長の滝は、「この司法制度改革は本来、権力が制御されるべきものでしたが、現在の実態はそれに反している」と述べ、制度の改革を支持しました。事務局長の辻も「国民の感情が司法を過度に揺さぶることがある。不起訴の人物を被告とすることが正当なのか」と懸念を表明しました。元東京地検特捜部の郷原信郎もこの会合に参加しました。

批判と道義

検察審査会の強制起訴制度は、民意を反映させるべく設立されたもので、その制度に賛成した民主党自身が、その後に不利な議決が出たことを受けて見直しを求める動きを起こしたことには疑問が持たれました。党内外からは「見識を疑う」との声や、「場当たり的な対応だ」との批判が相次ぎました。

また、2010年5月26日には、辻が東京第一検察審査会に電話で接触し、審査に関する質問をしたことが報じられました。これは政権与党の幹部が、政治的中立性が求められる機関に接触を試みたとして、極めて異例の行為とされました。さらに、辻は電話をかけたこと自体を初めは否定。しかしその後、制度に関する問い合わせであったと認め、この行為に不適切さを感じていないことを示しました。

この動きは大きな懸念を与え、読売新聞や産経新聞はこの行為が政治介入を示唆するものであると厳しく批判しました。

参加議員プロフィール

議員連盟には、その後失脚した議員や除名された議員も多く、議連設立当初のメンバーの状況を振り返ることも重要です。滝実会長、辻恵事務局長、山尾志桜里や石井一といった参加者は、いずれもその後、政治的な道をたどりながらも当議員連盟がなぜ設立されたのか、その意味をより深く考えさせるきっかけになっています。

この議員連盟は、司法制度やいかに権力を制御するかという重要なテーマに対して真剣に取り組み、その提言内容や批判に対する反響は今後の政治議論にも影響を与えることでしょう。

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