司馬毗

司馬毗（しば ひ）は、西晋時代の皇族であり、東海孝献王・司馬越の子として生まれました。彼の出生に関する詳細な記録は残されていません。

彼は朝廷から鎮軍将軍に任じられ、その配下には周顗（しゅうぎ）が鎮軍長史として仕えていました。父である司馬越からは、王承（おうしょう）・趙穆（ちょうぼく）・鄧攸（とうゆう）という三人の人物から、あらゆる事を学ぶようにと厳命を受けていました。

永嘉5年（311年）の正月、懐帝（かいてい）は苟晞（こうき）に対し、司馬越を密かに葬るようにとの密命を下しました。これを受け、司馬越は司馬毗を洛陽に残し、項城（こうじょう）へと向かいました。その後、司馬越は苟晞を打ち破りますが、3月には懐帝が各地の太守らに司馬越討伐の勅命を下しました。この知らせを聞いた司馬越は、項城で憤死しました。

司馬越の死後、太尉の王衍（おうえん）が司馬氏の諸侯王を率いて東進しました。一方、洛陽にいた近侍の龍驤将軍・何倫（かりん）と李惲（りうん）らは、東海王の世子であった司馬毗と、司馬越の未亡人である裴氏（はいし）を伴い、洛陽を脱出しました。彼らは司馬越の死を伏せながら項城へ向かい、司馬毗を喪主として東海国への帰還を目指しました。

しかし、その帰還の途上、一行は漢（後の前趙）の武将である石勒（せきろく、後の後趙の初代皇帝）の軍勢に挟撃されました。王衍は司馬氏の諸侯王と共に捕らえられ、司馬毗と裴氏も捕縛されました。何倫、李惲、王衍らは殺害され、この事件以降、司馬毗の消息は不明となりました。

その後、東晋を興した元帝（げんてい）は、自身の子である司馬沖（しば ちゅう）を、司馬毗の後継として東海王に封じました。これにより、司馬毗の血筋は東海王として後世に繋がれることとなりました。

参考文献

『晋書』巻59 列伝第29

関連項目

晋陵郡
* 晋陵県

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