各務原鉄道K1-BE形電車

各務原鉄道K1-BE形電車の概要

各務原鉄道K1-BE形電車は、名鉄各務原線を運営する各務原鉄道が1925年に導入した電車です。この電車は、制御電動車の形式であり、別名KB1形やKB形とも呼ばれています。K1-BEという形式称号の「K」は各務原を指し、「B」は2軸ボギー構造を意味し、最後の「E」はイングリッシュ・エレクトリック製の電装品を装備していることを示しています。

同車両は、美濃電気軌道の保有車両の形式称号付与基準に似たもので、新旧の技術を融合させた設計となっています。落成した当初の8両は、前面に丸妻構造を採用し、木造体を持ちながらも最新の間接自動制御器を搭載していました。

特徴的な設計

K1-BE形電車は、車体長12,166mm、幅2,490mmで、トラス棒を用いた補強構造が特徴です。前面には5枚の窓が均等に配置され、前後の妻面は大きな円弧を描く曲線となっています。側面には片開きの客用扉があり、丸窓や落とし窓など、複数の窓配置が工夫されています。内部はロングシートが設置され、白熱灯による車内照明とつり革が設けられたシンプルな設計です。

制御装置にはイングリッシュ・エレクトリック製のM-15-C自動加速制御器が使用され、主電動機も同社製のDK-30-C直流直巻電動機が搭載されています。これにより、全体4基の主電動機が吊り掛け駆動方式で運転されます。また、空気ブレーキや自動連結器といった運転装置が整備され、運用に耐える設計がなされています。

歴史的な背景

1926年に各務原鉄道が開業したと同時に運用を開始したK1-BE形電車は、1931年には集電装置を変更し、効率的な運行を通じて次第にその運用範囲を広げていきました。名岐鉄道に吸収合併された後もこの電車は運用され続け、形式称号が改訂されるなどの変更がありました。1941年の形式変更に際しては、モ450形として再指定されましたが、戦時中の空襲により被災した車両もあり、名鉄の歴史の中で重要な役割を果たしました。

戦後およびその後の運用

戦後、混乱の中で一部の車両が他の鉄道社に譲渡されるなど、運用は大きく変化しました。残存していたモ452などは、揖斐線系統に転属され、徐々に運用が減少していきました。1950年代には、主に通勤通学用として活躍し、特にご開帳の際には主力車両としての役割を果たしていました。1962年以降、各務原鉄道K1-BE形電車は次第に電装解除されたり、外装が鋼板に張替えられるなど改造され、その後1965年には全ての車両が除籍され、各務原鉄道K1-BE形電車は歴史の中に姿を消しました。

結論

K1-BE形電車は、その革新的な設計と長い運用歴史から、名鉄における重要な電車の一つとされています。多くの技術的特徴を持ち、さては情緒豊かな形状で多くの鉄道ファンに親しまれたこの車両の存在は、名古屋鉄道の発展に大きく貢献しました。

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