合唱名曲シリーズ

「合唱名曲シリーズ」は、社団法人全日本合唱連盟が毎年発行している合唱曲集です。1972年に第1号が発行されて以来、編集方針の変更を重ねながら、2023年現在、第51号まで刊行されています。2019年度からは小学校版も刊行され、2023年現在、第2号まで出ています。

概要

「合唱名曲シリーズ」は、「○○年度全日本合唱コンクール課題曲集」という副題が付けられていることからもわかるように、全日本合唱コンクールの課題曲として使用されることを主たる目的としています。課題曲集自体は1972年以前から存在しましたが、コンクールの課題曲としてだけでなく、アンソロジーとしても優れた曲集を目指し、コンクールに参加する合唱団の多様な形態や指向に対応できるよう、装いを新たにして刊行されるようになりました。判型は、第36号まではB5判でしたが、第37号以降はA4判となっています。

構成

第13号以降、混声、男声、女声それぞれについて、「外国曲2曲、邦人曲2曲」という構成が定着し、各巻に計12曲が収録されています。外国曲のうち1曲は、ルネサンス・バロック期の作品が必ず収録されています。外国曲のもう1曲は、第37号以降、混声、男声、女声で共通のテーマで選曲されています。邦人曲は、スタイルの異なる2曲が収録されるように配慮されています。また、当該年度の朝日作曲賞入選作品の中から課題曲にふさわしい作品が収録されます。収録曲の選曲は、全日本合唱連盟内に設けられた名曲シリーズ編集委員会が「古今東西の合唱音楽から」行うことになっています。

演奏時間

コンクールの課題曲という性質上、1曲あたりの演奏時間は、おおむね3分から3分30秒程度に揃えることが目安とされています。ただし、演奏時間はテンポ設定によって大きく左右されるため、この範囲に収まらない演奏も少なくありません。

難易度

コンクールの課題曲として公平性を期すために、難易度をほぼ同程度に揃えることが求められます。しかし、選曲が広範な時代や様式に及ぶため、厳密に難易度を揃えることは事実上不可能です。そのため、各部門に難易度の異なる曲をバランスよく含ませ、その割合をほぼ同じにすることで公平感を出すようにしています。

編成と音域

編成は、混声4部、男声4部、女声3部を基本としており、各声部の音域にも無理がないように配慮されています。毎年のように収録されるルネサンス・ポリフォニーにおいては、移調が自由であり、各合唱団の音域に合わせて演奏することができます。

伴奏楽器

収録曲の過半数は無伴奏曲であり、伴奏がある場合も、ほとんどがピアノ1台のみです。コンクールの規定上、ピアノ1台以外の伴奏楽器を使用する場合は、参加団体が用意する必要があるため、規定との整合性を保っています。

小学校版

全日本合唱コンクールの小学校部門が2019年度から始まったことに伴い、小学校の部の課題曲集として刊行されました。邦人作品4曲、海外作品2曲の計6曲が収録されています。

関連事項

全日本合唱コンクール
岸信介 - 全日本合唱連盟の現理事長。理事長就任前は、長年「合唱名曲シリーズ」の編集委員を務めていました。

外部リンク

* 合唱名曲シリーズ 社団法人全日本合唱連盟

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