合州 (重慶市)

合州（ごうしゅう）の歴史：重慶市合川区一帯の変遷

合州は、中国の南北朝時代から民国初年にかけて存在した州で、現在の重慶市合川区を中心とする地域に位置していました。その歴史は、中国の各王朝の興亡と深く関わり、行政区分の変遷を辿る上で重要な事例となります。

魏晋南北朝時代

合州の起源は、南北朝時代の西魏に遡ります。554年（廃帝3年）に西魏によって初めて合州が設置されました。この時期の合州がどのような範囲を管轄していたか、詳しい記録は残っていませんが、この設置が合州という地名の歴史の始まりとなります。

隋代

隋代に入ると、合州の行政区分は一時的に変更されました。隋初には、合州は2郡2県を管轄していましたが、開皇年間に涪州（ふしゅう）と改称されました。さらに、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、涪州は涪陵郡（ふりょうぐん）と改称され、その下に3県を管轄しました。隋代における行政区分は以下の通りです。

* 涪陵郡：3県を管轄

唐代

唐代になると、行政区分は再び変更され、618年（武徳元年）に涪陵郡は合州に改められました。しかし、742年（天宝元年）には合州は巴川郡（はせんぐん）と改称され、758年（乾元元年）に再び合州の称に戻されました。唐代の合州は山南西道（さんなんせいどう）に属し、石鏡（せききょう）・新明（しんめい）・漢初（かんしょ）・赤水（せきすい）・巴川（はせん）・銅梁（どうりょう）の5県を管轄しました。この時期の合州は、政治的にも経済的にも重要な地域であったと考えられます。

宋代

宋代に入ると、合州は潼川府路（どうせんふる）に属し、石照（せきしょう）・漢初・赤水・巴川・銅梁の5県を管轄しました。唐代から引き続き、合州は周辺地域を統括する役割を担っていました。

元代

1279年（至元16年）、南宋の合州安撫使であった王立（おうりつ）が元に降伏しました。これにより、合州は元の支配下に入り、重慶路（じゅうけいろ）に属し、銅梁・定遠（ていえん）・石照の3県を管轄しました。元の時代にも、合州は一定の行政機能を維持し、地域社会に影響を与え続けました。

明代以降

明代になると、合州は重慶府（じゅうけいふ）に属し、銅梁・定遠の2県を管轄しました。清代に入ると、合州は重慶府に属するものの、属県を持たない状態となりました。そして、1913年、中華民国によって合州は廃止され、合川県（がっせんけん）と改められました。これにより、合州という名称は歴史から姿を消し、新たな行政区分として合川県が誕生しました。

合州の歴史は、中国の政治・社会の変化を反映しており、その変遷を辿ることで、中国史の一側面を理解することができます。

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