合掌

合掌（がっしょう）

合掌とは、両手のひらを胸または顔の前で合わせる礼拝の姿勢を指します。サンスクリット語では「अञ्जलि（Añjali）」と呼ばれ、インドに起源を持つこの仕草は、主に仏教徒によって広く用いられています。

合掌の意義

合掌は、手を合わせることによって仏と一体になることや仏への帰依を示すものとされています。右手は仏を象徴し、清らかさや知恵を表す一方、左手は衆生、つまり自分自身を象徴します。左手は不浄さを持っていますが、行動力を象徴する重要な手でもあります。この二つの手を合わせることで、仏教の教えに基づく精神的なつながりを意識することができます。

特に日本においては、合掌は仏教の儀式で一般的に用いられています。これは他人に対してだけでなく、自分自身や自分が関わる全てのものに対しても行われ、相手に対する深い尊敬や感謝の気持ちを込めています。合掌を通して、相手に対し敬意を表すことができます。

合掌の使用例

また、日本では合掌はお詫びやお願いをする際の仕草としても使われることがあります。この動作には、相手を持ち上げ、自分の気持ちを伝える意味が内包されています。食事の前後に合掌することも一般的であり、これは仏教由来の習慣として定着しています。さらに、神道においては柏手と呼ばれる手を打ち合わせる動作があり、合掌とは異なります。神道の拝礼の際には、手を合わせるのではなく、お辞儀をして礼を尽くすスタイルが主流です。

合掌の種類

合掌にはいくつかの種類があります。最も一般的なものが「堅実心合掌」で、両手のひらと指を真っ直ぐに伸ばしてぴったりと合わせる姿勢です。この形は素直で偽りのない祈りの心を表すとされています。次に「虚心合掌」があり、手のひら同士の間に若干の隙間を設けることで、子どものような穢れのない純粋な心を表現します。さらに、右手を上に手の平を合わせ、指を少し開く「金剛合掌」という形式も存在します。この形は強い仏への帰依を表し、別名「帰命合掌」とも呼ばれます。

簡略的な形式で片手による略礼も行われることがあり、状況に応じて使い分けがされています。

関連項目

合掌は文化的に重要な意義を持つため、その周辺に関連する概念や習慣も存在します。

• - 合掌造り：日本における伝統的な住宅の建築様式。
• - 合掌捻り：相撲の決まり手の一つ。
• - 手刀：合掌に関連する手の使い方。
• - 印相：数ある印相の中に九字護身法が存在する。
• - 数珠：祈りに用いる珠の道具。

合掌は日本文化をはじめ、アジア諸国においてもさまざまな意味合いを持ち、道徳的かつ精神的なつながりを強化する重要な動作です。

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