吉岡しげ美

吉岡しげ美（よしおか しげみ）は、1949年9月11日生まれの日本の音楽家です。東京都出身で、主にピアノ弾き語りや作曲家として活躍しています。

経歴と教育活動

吉岡氏は、武蔵野音楽大学で音楽教育学科の声楽を専攻し卒業後、さらに深く学ぶため27歳で日本女子大学児童学科に学士入学しました。その後、同大学院の家政学研究科児童学専攻で修士課程を修了するなど、教育と研究に対しても強い探求心を持っています。

教育者としては、共栄学園短期大学児童福祉学科で教授を務めたのをはじめ、西武文理大学サービス経営学部福祉マネジメント学科や城西国際大学メディア学部でも客員教授を歴任するなど、多岐にわたる教育機関で教鞭を執り、後進の育成にも貢献しました。

音楽活動：詩と歌の融合

吉岡氏の音楽活動の核となるのは、日本の詩人たちの作品にメロディをつけ、自ら歌い上げるスタイルです。1977年からは、与謝野晶子、茨木のり子、新川和江といった日本の著名な女性詩人たちの詩に作曲し、ピアノの弾き語りを始めました。その後、1984年には金子みすゞの詩に、1997年からは万葉集の歌にも曲をつけるなど、その対象を広げていきます。近年では、さらに『枕草子』や『百人一首』といった古典文学にも新たな息吹を与え、歌にしています。

これまでに、30人を超える詩人や歌人の作品を扱い、生み出された楽曲は500曲以上に及びます。その豊かな創造性と、日本の言葉に対する深い愛情が、数々の作品として結実しています。

国内外での活動と多分野での活躍

コンサート活動は日本国内だけでなく、アメリカ各地、中国、フランス、ドイツ、モンゴル、ポーランド、フィリピン、韓国など、世界各地にもその歌声を届けています。国境を越えて、日本の詩情やメッセージを伝えています。

また、作曲家としても多才ぶりを発揮しており、NHKの子ども向け番組の楽曲をはじめ、多くのテレビ番組の音楽を担当しています。さらに、映画、ミュージカル、演劇といった様々な分野の音楽も手掛けるなど、幅広いメディアでその才能を活かしています。

日本の女性詩人の詩や短歌に曲をつけて歌う活動は、40年以上の長きにわたり続けられており、現在も精力的に活動しています。

人物像とメッセージ

吉岡氏の活動は、その学術的な背景を持ちながらも、本人自身のパーソナリティは非常に明るくエネルギッシュです。音楽活動や教育活動にとどまらず、自身のCDや著作のリリース、エッセーの執筆、テレビやラジオへの多数の出演など、様々なメディアを通じて自己表現を行っています。

女性の詩に自身の思いを重ね合わせ、生命の輝きと平和へのメッセージを歌に乗せて伝え続ける姿勢は、多くの人々に感動を与えています。

ディスコグラフィー（一部抜粋）

吉岡しげ美氏の作品は、LP、カセットテープ、CDといった様々な媒体でリリースされています。主な作品には以下のようなものがあります。

LP
女の詩（うた）そして現在（いま）（1980年）：茨木のり子などの詩、全10曲。
いとしいものたちよ（1983年）：吉岡氏自身の詩や与謝野晶子の詩などを収録、全10曲。
星だったのに、晶子。（1985年）：与謝野晶子の詩による作品集、全14曲。
カセットテープ
星とたんぽぽ（1985年）：金子みすゞの詩、全8曲。
吉岡しげ美・アンソロジー（1989年）：キングレコード時代の音源を集めた作品集、全15曲。
CD
みだれ髪 短歌ルネッサンス 晶子を歌う（1993年）：東芝EMIよりリリース。
金子みすゞの世界（1996年）：東芝EMIよりリリース。
花万葉（1998年）：日本コロムビアよりリリース。
Solo〜茨木のり子さんに捧ぐ〜（2010年）：茨木のり子へのオマージュ作品。
* いのち、咲き…枕草子（2010年）：枕草子に曲をつけた作品。

その他にも、多数の作品を発表しており、日本の詩や古典文学の魅力を音楽を通じて伝え続けています。

その他の活動

音楽家、教育者としての活動に加え、放送大学のテーマ音楽を担当したり、映画「雪子さんの足音」で音楽を手がけるなど、その活動は多岐にわたります。

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