吉岡邦広

吉岡 邦広

吉岡 邦広（よしおか くにひろ）は、1949年5月14日に兵庫県で生まれた元プロ野球選手です。ポジションは投手。

三田学園高等学校では野球部のエースとしてチームを牽引し、1967年の春の選抜高等学校野球大会に出場する原動力となりました。甲子園では、1回戦で大田垣耕造投手を擁する広島県の尾道商業高校と対戦しこれを破りました。しかし、続く2回戦では熊本県の熊本工業高校と激突。相手投手、松本正幸（後に巨人へ入団）と投げ合いましたが、緊迫した投手戦の末、惜しくも1対2で敗退しました。同年夏もチームは躍進し、兵庫県予選の決勝まで進みましたが、報徳学園に阻まれ、春夏連続での甲子園出場はなりませんでした。高校時代のチームメイトには、三塁手としてクリーンアップの一角を担った藤村雅美がいました。

高校卒業を控えた1967年のプロ野球ドラフト会議において、東京オリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズの前身球団の一つ）から6位指名を受け、プロへの扉を開きました。

プロ入り後は投手として期待されましたが、残念ながら在籍期間を通じて一軍公式戦での登板機会を得ることはありませんでした。プロ生活は1968年からスタートし、背番号は入団当初が「15」。その後、「37」（1969年〜1971年途中）、「70」（1971年途中〜1972年）、「60」（1973年）と変遷しました。投手登録ではありましたが、極めて珍しい経験として、1970年には一度だけ一塁手として公式戦に先発出場した試合があります。これは、打順を調整する特殊な事情によるものでした。

左腕から投じられるシュートやカーブを巧みに使い分ける投球スタイルが特徴でした。特に牽制球は非常に上手いと評されましたが、一方でコントロールにはやや課題があったとされています。

プロ野球選手としての一軍での実績を積み重ねることは叶いませんでしたが、高校時代には甲子園のマウンドを踏み、プロの世界でも数年間現役生活を送りました。1973年シーズン限りでユニフォームを脱ぎ、現役を引退しました。

プロ通算では、投手としての一軍登板はなく、打者としても記録上の安打や打点は残されていません。

吉岡邦広は、短いプロ野球キャリアの中で、甲子園出場投手からプロ入りし、投手として大成することはできませんでしたが、異例の一塁手としての公式戦出場という記録を残した選手として記憶されています。

主な背番号の遍歴は以下の通りです。
15 （1968年）
37 （1969年 - 1971年途中）
70 （1971年途中 - 1972年）
60 （1973年）

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