吉川村 (高知県)

高知県香南市に合併した旧吉川村の歴史と地理

吉川村（よしかわむら）は、高知県の中央部に位置していた村です。2006年に周辺の4町村と合併し、香南市の一部となりました。村は高知県中部、南国市に隣接し、物部川の河口左岸に広がる地域でした。高知県内で2番目に面積の小さい村であり、海岸線沿いの砂地を除いて、大部分が農地として利用されていました。

地理と産業

村の北側には米作や園芸用のハウスが広がり、北東部の古川地区には丘陵地帯があります。かつては、水田を利用した養鰻が盛んでしたが、輸入鰻の増加により衰退しました。現在は、地下水を利用した鮎の養殖が行われています。農業では、米、サツマイモ、ニラ、ナス、キュウリ、ネギ、ラッキョウなどが栽培されています。沿岸部では、チリメンジャコの加工も行われていました。

漁港とマリンレジャー

1982年には物部川河口左岸に吉川漁港が開港し、漁業と海洋性レクリエーションを両立させるため、吉川村ポートマリーナが設置されました。これにより、マリンスポーツやフィッシングの拠点となり、海や川を活用したレジャーが盛んになりました。漁港の西側には、桜づつみ公園と野外ステージ「天然色劇場」が整備され、地域住民や観光客の憩いの場となっています。

桜づつみ公園とモンキーバー

桜づつみ公園は、旧建設省の物部川桜づつみモデル事業として認定を受けました。公園内には、オオシマザクラやソメイヨシノなど約250本の桜の木が植えられており、春には美しい景色が広がります。また、全長102メートルのモンキーバー（雲てい）は、1997年にギネスブックで世界一長いと認定されました。

野外ステージ「天然色劇場」

公園内にある野外ステージ「吉川村天然色劇場」は、延床面積855平方メートルで、四国一の規模を誇ります。地形を生かした設計で、様々なイベントや公演が行われています。

歴史と沿革

大字吉原には、戦国時代の武将・長宗我部兼序の家臣が居城した芳原城がありました。村は、1889年に吉原村と古川村が合併して誕生しました。2006年には、赤岡町、香我美町、野市町、夜須町と合併し、香南市となりました。

交通

村の中央部には、県道14号線（通称：黒潮ライン）が東西に走っています。

鉄道

かつては、土佐電気鉄道の前身である高知鉄道が村内を通っており、古川駅がありました。その後、土佐くろしお鉄道のごめん・なはり線が開業し、よしかわ駅が開設されました。旧古川駅は安芸線が廃止されるまで存続していました。

空港

高知空港の敷地の一部が村内にありました。

関連情報

高知県の廃止市町村一覧も参照ください。

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