吉川貴洋

吉川貴洋（よしかわ たかひろ）は、1972年3月11日生まれの日本の合唱指揮者です。神奈川県横浜市で生まれ、幼少の頃からオペラや合唱に親しんで育ちました。7歳で合唱を始め、ビクター少年合唱隊に所属。11歳の時には、東京室内歌劇場の公演で主役のアマール役を演じるなど、幼い頃から音楽の才能を発揮していました。

神奈川県立多摩高等学校を経て、1995年に慶應義塾大学理工学部を卒業。さらに1997年には同大学大学院理工学研究科を修了しています。大学在籍中から指揮者の畑中良輔氏に師事し、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団やそのOB合唱団などを指揮し、その才能を高く評価されていました。2003年までは松下電器産業株式会社に勤務していましたが、その後は指揮者としての活動に専念しています。

2004年には東西四大学合唱演奏会で慶應ワグネルを指揮。2008年と2011年には、慶應義塾創立150年と110周年記念の特別演奏会で、マーラーの交響曲第2番「復活」の合唱指揮を担当し、指揮者の飯森泰次郎氏から賛辞を贈られました。また、藤沢男声合唱団、パイオニア合唱団、伊藤忠商事コーラス部、混声合唱団水曜会、女声合唱団湘南の風、紐育男声合唱団など、数多くの合唱団で指揮・指導を行っています。

吉川氏の指導は、発声の基礎を大切にし、豊かなハーモニーを目指すことを特徴としており、その指導法は各団体から厚い信頼を得ています。指揮法は北村協一氏に師事しました。藤沢男声合唱団には1999年から参加し、畑中良輔氏から発声指導や音楽作りを一任され、2020年現在も常任指揮者を務めています。

藤沢市では、モーツァルトイヤー特別公演「魔笛」をはじめ、オペラ・ガラコンサート、日本の歌100年の旅、レハールの「メリー・ウィドウ」、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」、レオンカヴァッロの「道化師」など、数々の公演で合唱指揮を担当し、活動の幅を広げています。2008年には中国（北京、天津）で、2011年10月にはタイ（バンコク）で演奏会を開催するなど、海外での活動も積極的に行っています。

その他、伊藤忠商事コーラス部では2009年5月に常任指揮者に就任。2009年には和光市特定非営利活動法人オペラ彩のヴェルディ「オテッロ」で合唱指揮を担当。混声合唱団水曜会では2012年9月から指揮を開始し、2013年7月からは常任指揮者を務めています。2018年には湘南白百合学園中学・高等学校の合唱コンクールの審査員も務めました。

吉川貴洋氏は、その豊富な経験と優れた指導力で、日本の合唱音楽界の発展に大きく貢献しています。

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