吉村忠典

吉村忠典

吉村忠典（よしむら ただすけ、1925年2月17日 - ?）は、日本の西洋史学者で、特に古代ローマ史を専門としていました。愛知県出身で、東京帝国大学文学部西洋史学科を卒業後、研究者・教育者として活躍しました。

経歴

東京帝国大学卒業後、1953年に横浜国立大学教育学部講師に就任し、その後助教授、教授へと昇進しました。1990年に定年退官し、横浜国立大学名誉教授となりました。退官後は、湘南国際女子短期大学教授を務めました。

研究内容と業績

吉村忠典は、古代ローマ史研究の第一人者として、その政治、社会、文化に関する幅広い研究を行いました。彼の研究は、古代ローマ帝国の実像に迫るものであり、多くの著書や論文を通じて、その成果を発表しました。また、西洋史学の分野で後進の指導にも尽力し、多くの研究者を育成しました。

著書

吉村忠典は、数多くの著書を出版しています。代表的な著書としては、

『古代ローマ散歩』(現代教養文庫) 社会思想研究会出版部, 1961
『人間の世界歴史 4　支配の天才ローマ人』三省堂, 1981.7
『古代ローマ帝国 その支配の実像』岩波新書 1997.1
『古代ローマ帝国の研究』岩波書店, 2003.6
『古代ローマ世界を旅する』刀水書房, 2009.9

などがあります。これらの著書は、一般読者にも読みやすいように書かれており、古代ローマ史への関心を広げる役割を果たしました。

共著・編著

吉村忠典は、他の研究者との共著や編著も手がけています。

『教養人の世界史 上 古代』板倉勝正,三浦一郎共著 (現代教養文庫) 社会思想社, 1964
『世界の戦争 2　ローマ人の戦争 名将ハンニバルとカエサルの軍隊』編 講談社, 1985.9

翻訳

吉村忠典は、西洋の歴史学者の著作の翻訳も多く手がけています。これにより、日本の読者は、最新の研究成果に触れることができました。

ウォールバンク『ローマ帝国衰亡史』岩波書店, 1963
J.P.V.D.ボールスドン『ローマ帝国 ある帝国主義の歴史』(世界大学選書) 平凡社, 1972
ラヌッツィオ・ビアンキ=バンディネルリ『ローマ美術』(人類の美術) 新潮社, 1974
ラヌッツィオ・ビアンキ=バンディネルリ『古代末期の美術』(人類の美術) 新潮社, 1974
クリス・スカー『ローマ帝国 The historical atlas』 (地図で読む世界の歴史) 監修, 矢羽野薫, 牧人舎 訳. 河出書房新社, 1998.5
エドワード・ギボン『図説ローマ帝国衰亡史』後藤篤子共訳. 東京書籍, 2004.8
ハリー・サイドボトム『ギリシャ・ローマの戦争』(1冊でわかる) 澤田典子共訳. 岩波書店, 2006.3
* リウィウス『ローマ建国以来の歴史 9 第二次マケドニア戦争・東方諸戦役. 1』小池和子共訳 (西洋古典叢書) 京都大学学術出版会, 2012.5

これらの翻訳書は、日本の西洋史研究に大きな影響を与えました。

吉村忠典は、日本の西洋史学界において、重要な役割を果たした研究者の一人です。彼の業績は、今後も長く評価されることでしょう。

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