吉松町

吉松町（よしまつちょう）

概要

吉松町は、かつて鹿児島県の北東端、姶良郡に位置していた町です。2005年3月22日に栗野町と新設合併し、湧水[[町]]となりました。豊かな自然と歴史を持つ地域でした。

地理

鹿児島県の北東端に位置し、霧島山の山麓に広がる盆地状の地形が特徴です。町の中央部を川内川が南北に流れ、その流域には肥沃な耕地が広がっていました。両岸の台地には畑地が多く見られました。

大字

吉松町は、川添、川西、鶴丸、中津川、般若寺の5つの大字で構成されていました。これらの大字は、合併後も湧水[[町]]にそのまま引き継がれています。

町名の由来

吉松という地名は、島津氏が三州を統一し、菱刈氏を追い北薩を攻略した際、島津義弘が亀鶴城を仮住居としたことに由来します。この時、城の周辺には亀丸、亀沢、南方には竹田村があり、「亀鶴松竹」という縁起の良い言葉が揃っていました。残る「松」を加え、この地が長く栄えることを祈願して「吉松」と改名されました。

歴史

原始・古代

川内川流域の山麓から台地にかけて、縄文時代や弥生時代の遺跡が多数発見されています。これらの遺跡からは、前期から晩期にかけての土器が見つかっており、この地域に古くから人々が生活していたことがわかります。

中世

建久8年の大隅国図帳には、吉松町の区域は「筒羽野」と称されていたと記録されています。島津氏による三州統一後、島津義弘が亀鶴城を仮住居とした際に、筒羽野村から吉松村に改称されました。

近世

江戸時代には、「天保郷帳」によると、吉松町域には桑原郡吉松郷に属する吉松村、川添村、鶴丸村、中津川村、般若寺村の5つの村がありました。吉松村は川西村とも呼ばれ、現在の大字川西の区域にあたります。

近現代

1871年（明治4年）の廃藩置県により、吉松町は鹿児島県に属しましたが、同年11月には分割され都城県に属することになりました。しかし、1873年（明治6年）には再び鹿児島県に編入されました。

町村制施行により、1889年（明治22年）に川添村、川西村（吉松村）、鶴丸村、中津川村、般若寺村が合併し、吉松村が成立しました。1896年（明治29年）には郡区画改正が行われ、姶良郡に属するようになりました。1953年（昭和28年）2月11日に吉松村は町制を施行し、吉松町となりました。

1968年（昭和43年）にはえびの地震が発生し、吉松町では震度4〜5を観測し、死者2名、被害額は10数億円に及びました。

2003年（平成15年）に吉松町は栗野町と合併協議会を設置し、翌年には合併協定を調印、2005年（平成17年）3月22日に湧水[[町]]が設置されたため、自治体としての吉松町は廃止されました。

行政

• - 町長：永野龍郎（2003年4月 - 2005年3月22日）
• - 町議会議員数：12名

県の行政機関

• - 横川警察署吉松駐在所

国の行政機関

• - 法務省矯正局：鹿児島刑務所

教育

中学校

• - 吉松町立吉松中学校

小学校

• - 吉松町立吉松小学校

交通

鉄道

• - 九州旅客鉄道（JR九州）

- 肥薩線：吉松駅
- 吉都線：吉松駅 - 鶴丸駅

バス

• - 高速バス

- 高速バス「はまゆう号」：吉松パーキングエリアバスストップ

• - 路線バス

- 南国交通：吉松 - 大口路線バス
- エアポートシャトルバス
- 宮崎交通：吉松 - 京町

道路

• - 高速道路

- 九州自動車道：吉松パーキングエリア（インターチェンジはなし。最寄りは栗野インターチェンジ）

• - 国道

- 国道268号

• - 県道

- 鹿児島県道102号木場吉松えびの線
- 鹿児島県道442号吉松停車場線
- 鹿児島県道448号川西菱刈線

名所・旧跡・観光スポット

• - ヒガンザクラ自生南限地（国の特別天然記念物）
• - 筒羽野の疏水（疏水百選）
• - 観光SL会館
• - 鶴丸温泉

関連項目

• - 鹿児島県の廃止市町村一覧
• - 瑞祥地名

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