吉永時次

吉永時次とは

吉永時次（よしなが ときじ、1892年2月8日 - 1976年3月25日）は、日本の内務・警察官僚であり、官選県知事や警視総監などの要職を歴任しました。彼の旧姓は岸本で、特に戦時中には「台所総監」として都民の食糧供給に注力した人物です。

生い立ち

吉永は岡山県上道郡幡多村（現在の岡山市中区）に生まれ、岸本栄三郎の二男として育ちました。彼は1928年に吉永光野の夫となり、以降吉永姓を名乗ることになりました。学業においては第六高等学校で首席を卒業し、1919年には東京帝国大学法学部法律学科（英法）を卒業しました。また、1917年に文官高等試験行政科試験に合格しています。

官僚としてのキャリア

1919年に内務省に入省し、最初は警視庁の警部を務めました。その後、地方事務官としてさまざまな役職に就き、宮崎県、茨城県、広島県、愛知県、兵庫県などで書記官や警察部長を歴任しました。これらの役職を通じて、彼は地方行政や治安維持に関する知識と経験を深めていきました。

吉永は1936年4月から和歌山県知事を務め、その後茨城県知事、広島県知事も担当しました。これらの職において、地域の発展や行政の効率化を目指して取り組みました。特に、1942年6月には警視総監に就任し、都内の治安や警察業務の管理にあたりました。彼が警視総監を務めていた時期は戦時下であり、物資不足が深刻な問題となっていました。

戦時中の活動

吉永は特に食糧供給の確保に尽力し、その活動から「台所総監」と称されるようになりました。都民が日常の生活を営むために必要な食糧を供給するための施策を講じ、都市の安定を図りました。

しかし、1943年4月に警視総監を辞任し、その後に退官となりました。この頃には戦況が厳しくなり、彼のような官僚も政治的な緊張の中で活動を強いられていました。

晩年

戦後、吉永は公職追放の対象となりました。彼は1976年3月25日に84歳で亡くなりました。その生涯において彼が果たした役割や貢献は、日本の内務・警察制度の中で重要なものとして評価されています。

栄典

彼の功績は1940年8月15日に紀元二千六百年祝典記念章として表彰されています。

参考文献

• - 歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
• - 『20世紀日本人名事典 そ-わ』日外アソシエーツ、2004年。
• - 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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