吉津度

吉津度（よしづ わたる）は、明治11年（1878年）1月1日に生まれ、昭和31年（1956年）6月30日に没した、日本の医師、医学者、そして立憲政友会に所属した衆議院議員です。

大阪府東大阪市出身の吉津は、明治39年（1905年）に内務省医術開業試験に合格し、医師としての道を歩み始めました。その後、陸軍三等軍医として日露戦争に従軍し、医療を通じて国に貢献しました。除隊後は、大阪細菌研究所の所長や梅田病院の院長を歴任し、医学研究と臨床の分野で活躍しました。

吉津は医学界での活動に加えて、地方政治にも積極的に参加しました。大阪府会議員、同参事会員、そして同議長を歴任し、府政の発展に尽力しました。さらに、大阪市会議員も務め、市政にも貢献しました。

大正13年（1924年）には、第15回衆議院議員総選挙に出馬し、見事当選を果たしました。その後、第16回衆議院議員総選挙でも再選を果たし、二期にわたり衆議院議員として国政に携わりました。議員としては、立憲政友会に所属し、その政策実現に貢献しました。

吉津の功績は、医学、政治に留まりません。彼は大阪医学高等専門学校（現在の大阪医科薬科大学）を設立し、理事長兼講師として、次世代の医療を担う人材の育成に尽力しました。教育者としての情熱は、多くの学生に影響を与え、医学界の発展に大きく貢献しました。また、三友製薬合名会社の社長も務め、経営者としても手腕を発揮しました。

吉津度は、医師、医学者、政治家、教育者、経営者として多岐にわたる分野で活躍し、日本の発展に貢献した人物です。彼の足跡は、今もなお、多くの人々に感銘を与え続けています。

参考文献

『衆議院要覧（乙）昭和三年』衆議院事務局、1928年。
帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第3版』帝国秘密探偵社、1930年。
* 衆議院・参議院編『議会制度七十年史 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1962年。

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