吉田浩之

吉田浩之は、日本の声楽家（テノール）であり、東京藝術大学音楽学部声楽科教授を務めています。マネジメントはAMATIが行っています。

生い立ちと音楽への道

福井県敦賀市で生まれた吉田は、敦賀市立粟野中学校、福井県立敦賀高等学校を経て音楽の世界へと進みました。中学校時代には吹奏楽部に所属し、ホルンを担当。高校時代には、吹奏楽部の顧問であり、音楽科教諭の松村勇氏（声楽家）に師事し、声楽の道へと進むことになります。

学歴と研鑽

1985年3月、国立音楽大学音楽学部声楽科を卒業後、1989年3月には東京藝術大学大学院音楽研究科声楽専攻修士課程を修了しました。二期会オペラスタジオ第30期を修了し、修了時には優秀賞を受賞。同期には上原正敏（テノール）、今村雅彦（バリトン）などがいます。その後、ヨハン・シュトラウス2世作曲「こうもり」のアルフレード役でオペラデビューを果たしました。NHK洋楽オーディションに合格し、調布市グリーンホール新人演奏会では市長賞を受賞。1990年にはヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト没後200年記念国際モーツァルト声楽コンコルソで本選入賞を果たし、ウィーン国立歌劇場にてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演するという栄誉を得ました。1991年からは1年間、文部省文化庁派遣芸術家在外研修員としてローマに留学し、イタリア各地でコンサートを開催しました。1997年には第25回ジロー・オペラ賞新人賞を受賞しています。

教育者としての活動

2005年4月より東京藝術大学音楽学部助教授（2007年4月以降は准教授）に就任し、後進の育成にも力を注いでいます。これまでに、松村勇、布施隆治、渡辺誠、渡邊高之助、高橋大海、山路芳久、M.コラチッキ、S.ローチ、A.ポーラといった多くの指導者に師事しています。

主な業績

吉田浩之は、数々の主要なオペラやコンサートでその才能を発揮しています。以下に主な業績をまとめます。

1995年：NHK交響楽団定期演奏会にて、リヒャルト・ワーグナー『さまよえるオランダ人』の舵取り役、モーストリー・モーツァルト・フェスティバル（ニューヨーク）にて、モーツァルト『レクイエム』に出演。
1998年：新国立劇場にて、モーツァルト『魔笛』のタミーノ役を演じる。
2000年：新国立劇場にて、松村禎三『沈黙』のモキチ役、東京フィルハーモニー交響楽団オペラコンチェルタンテにて、ヴェルディ『オテロ』のカッシオ役、ヘルムート・ヴィンシャーマン指揮ドイツ・バッハ・ゾリステンにて、バッハ『クリスマス・オラトリオ』に出演。
2005年：新国立劇場にて、ベートーヴェン『フィデリオ』のヤキーノ役を演じる。
2008年：滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールにて、リヒャルト・シュトラウス『サロメ』のナラボート役を演じる。
2009・2010年：薬師寺にて、松下功『遣唐使』の若き遣唐使役を演じる。
* ベートーヴェン『第九』のソリストとしても多数出演しており、2001年から2010年、2014年、2017年（予定）には大阪城ホール「サントリー1万人の第九」に、1994年と2012年には両国国技館「国技館5000人の第九コンサート」に出演しています。


吉田浩之は、その美しい歌声と卓越した音楽性で、聴衆を魅了し続けています。オペラ、宗教曲、コンサートなど幅広い分野で活躍しており、今後もその活躍が期待される声楽家の一人です。

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