吉祥寺 (関市)

吉祥寺（きちじょうじ）は、岐阜県関市志津野に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を神宮山と称し、本尊は釈迦如来を祀っています。また、美濃三十三観音霊場の第23番札所としても知られ、多くの参拝者が訪れます。

寺の創建は暦応元年（1338年）に遡ります。美濃に招かれた峰翁祖一禅師によって、臨済宗建長寺派の寺院として開かれました。その後、興国4年（1343年）には峰翁禅師が実際にこの地に住山したと伝えられています。しかし、吉祥寺は有力な外護者を持たなかったため、時を経て衰微の一途を辿りました。

転機が訪れたのは承応元年（1652年）のことです。関梅龍寺の善仲和尚が吉祥寺の再興を発起し、その志は、元禄7年（1694年）に梅龍寺7世の大徹法源禅師によって結実します。大徹法源禅師は、吉祥寺を妙心寺派の寺院として中興を果たしました。これにより、吉祥寺は新たな歴史を歩み始めることになります。

しかし、吉祥寺の歴史は平坦なものではありませんでした。元禄14年（1701年）には火災に見舞われ、伽藍を焼失するという大きな被害を受けました。それでも、吉祥寺は不屈の精神で立ち上がり、延享2年（1745年）には見事に堂宇の再建を成し遂げました。この再建によって、吉祥寺は再び人々の心の拠り所としての役割を取り戻しました。

更に時が流れ、昭和時代に入ると、吉祥寺の建物は老朽化が目立つようになりました。そのため、昭和56年（1981年）には、建物の再建が行われ、現在の姿に至ります。これらの歴史を通じて、吉祥寺は幾多の困難を乗り越え、人々の信仰を集める寺院として、その姿を今に伝えています。

美濃西国三十三観音霊場巡礼の際には、この吉祥寺を訪れ、静寂な空間で歴史と信仰の重みを感じてみてはいかがでしょうか。

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