暦応

暦応元号の詳細

暦応（りゃくおう）は、南北朝時代に属于する日本の元号の一つで、光明[[天皇]]の治世において北朝（持明院統）で使用されていました。この元号は建武から康永にかけて、1338年から1342年までの間に適用された特異な名称です。「ら行」で始まる元号は非常に珍しく、暦応はその一例であり、令和などの後の元号と共に記録されています。

改元の経緯

暦応は建武5年8月28日（ユリウス暦では1338年10月11日）に改元され、光明[[天皇]]の即位に伴う代始改元として認識されることが多いです。この時期、足利尊氏が光明[[天皇]]から征夷大将軍に任ぜられるなど、室町幕府と朝廷の関係においても重要な転機が起こりました。

暦応5年には災異改元が行われ、1342年に康永に改元されました。江戸時代の歴史書『続史愚抄』によると、「暦応」の改元が朝廷から室町幕府に正式に通知されるまで遅れがあったため、幕府関係者は数日後に改元の事実を知ることとなりました。この経緯は、当時の公武関係の複雑さを物語っています。

元号の由来

「暦応」という元号の出典は、『帝王代記』に由来しています。この文書には「堯時有草 夾階而生」という一節があり、これを根拠に元号が定められたとされています。この時の勘申者は、菅原公時と呼ばれる人物だったと知られています。

暦応期の出来事

暦応が使用された時期は、数々の歴史的事件が発生した時代でした。暦応元年（1338年）には、青野原の戦いや藤島の戦いなどが起こり、後醍醐天皇側と北朝勢力との間での戦闘が続きました。特に、足利尊氏が光明[[天皇]]から征夷大将軍に任ぜられたことは、将軍職の権威強化につながる重大な出来事でありました。

また、暦応期には後醍醐天皇の退位と後村上天皇の即位もあり、政権の交代が行われました。これにより、南朝と北朝の対立がさらに激化し、後醍醐天皇は自身の息子に大将軍職を託するなど、次代への影響を及ぼしました。

文化と影響

暦応の時代には、北畠親房のような重要な文化人も登場し、彼は『神皇正統記』や『職原抄』といった著作を残しました。こうした作品は、後の日本の歴史認識に大きな影響を与えました。

結論

全体として、暦応は南北朝時代の有力な元号の一つであり、その期間における歴史的出来事や文化の発展は、日本の歴史上において非常に重要な位置を占めています。「ら行」で始まる珍しい元号としても記憶され、680年ぶりに現代においても再び「ら行」の元号が使われるようになったことで、その重要性が再認識されています。

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