吉良俊一

吉良俊一の経歴と功績

吉良俊一（きら しゅんいち、1889年9月9日 - 1947年4月30日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の海軍軍人であり、最終的に海軍中将となった。大分県で生まれた彼は、1909年に杵築中学を卒業し、その後海兵40期に入学する。この中には、山口多聞や宇垣纏など、後の著名な軍人たちが名を連ねていた。

海軍での歩み

1912年に海兵40期を卒業し、少尉候補生として海軍に仕官し、1913年には正式に少尉に任官された。その後、吉良は航空術学生としての道を歩み始め、1921年にはセンピル教育団での講習を受けるなど、航空技術の発展に力を入れていった。1922年には航空母艦「鳳翔」の航空長として任命され、翌年には、自身の指揮のもとで日本人として初めて空母への着艦に成功。その成果により、「着艦三羽烏」としての異名を持つこととなった。

昭和の戦局への関与

1933年には大湊海軍航空隊の司令に就任し、次第にその名声を高めていく。1935年には航空母艦「龍驤」の艦長も務め、その後も海軍大学校特修学生や特設水上機母艦香久丸艦長などの役職を歴任した。1940年には第十二連合航空隊の司令官に任命され、1941年12月に太平洋戦争が勃発すると、第二十二航空戦隊の司令官として戦局の最前線で指揮を執った。

1943年には中将に昇進し、ギルバート諸島沖の航空戦では航空部隊の統括を行い、その後も軍令部出仕や第五十一航空戦隊の司令官として任務を果たしていく。1944年には南鳥島空襲を受け、東号作戦部隊の指揮官として作戦を指導したが、次第に戦局が悪化する中で、多くの困難に直面することとなる。

晩年と評価

1944年7月には第三航空艦隊司令長官に任命されるも、病気により転任し、1945年9月6日に予備役に編入。その後、1947年4月30日に死去した。吉良は死後、公職追放の仮指定を受けたものの、その功績は今なお評価されている。

栄典と評価

彼のキャリアは、数々の階級と栄典で彩られており、1916年には従七位、さらには1941年には勲二等瑞宝章を受章している。吉良俊一の業績は、海軍航空戦力の発展と航空に対する関心の高まりに大きな影響を与えたと言える。

参考文献

• - 海軍歴史保存会編『日本海軍史』（第9巻）第一法規出版
• - 外山操編『陸海軍将官人事 海軍篇』芙蓉書房出版
• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』東京大学出版会
• - 伊藤正徳『大海軍を想う』文藝春秋新社
• - 源田實『海軍航空隊、発進』文春文庫
• - 『世界の艦船』第696集 海人社

もう一度検索