吉葉山潤之輔

吉葉山 潤之輔 - 伝説の横綱

吉葉山潤之輔（よしばやま じゅんのすけ）は、1920年4月3日に北海道厚田郡厚田村（現在の石狩市）に生まれ、高島部屋に所属した大相撲の力士である。彼は第43代横綱であり、本名は池田潤之輔。彼の人生は波乱に満ちたものであった。

初期の人生と相撲入門

裕福な家系に生まれた吉葉山は、子供時代から恵まれた体格を持っていたものの、家業の倒産をきっかけに東京へ上京。ここでたまたま高島部屋に入門することになる。最初の四股名は「北糖山」であり、これは彼が就職する予定だった北海道製糖に由来するものであった。その後、健康を害することになるが、名医による手術を経て「吉葉山」を名乗ることとなる。

戦火の中の苦闘

1942年には第二次世界大戦で召集され、戦地での厳しい状況によって命を脅かされる場面もあった。戦争から復員してからは、食事をたくさん摂り、無事に体重を戻して再び土俵に立った。1947年には十両に昇進し、間もなく幕内入りを果たす。以降は関脇としての活躍が評価される。

屈辱と栄光

1950年には13勝2敗の優れた成績を挙げるも、優勝を逃し、続く場所でも繰り返し同様の結果に終わり、横綱昇進の道は断たれてしまう。しかし1954年1月場所では、ついに全勝で初の幕内最高優勝を達成した。雪の中での優勝パレードは「雪の全勝行進」と称され、多くのファンが吉葉山を祝福した。

横綱としての困難

横綱としての座に就いたものの、急性腎臓炎や糖尿病、さらには戦争での後遺症などの影響で満足な成績を残せず、「悲劇の横綱」と呼ばれた。横綱在位期間中も思うように勝ち星を重ねることができず、不名誉な記録を残すこととなった。それでもその華やかな姿と独特の土俵入りは、多くの相撲ファンの心を掴んでいた。

引退とその後

1958年の現役引退後、吉葉山は自身の相撲道場を設立し、多くの弟子を育てることに注力した。彼は理事としても活動し、相撲界に貢献する姿勢を続けた。特に著名な弟子には竹葉山がいる。吉葉山は濁声で知られる力士であり、自身の健康問題から手術を受けることもあった。

亡き後の影響

1977年11月26日、腎不全により57歳でこの世を去った。彼の葬儀は日本相撲協会によって行われ、多くの功績が称えられた。また、彼の孫弟子である白鵬は、吉葉山が名乗った不知火型を継承し、横綱へと昇進した。

吉葉山潤之輔の名前は、相撲界に残る伝説として永遠に記憶されるだろう。彼の生涯は、数々の希望と苦難で彩られたものであり、多くの人々に敬意を持って語り継がれている。

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