同盟90

同盟90（Bündnis 90）とは

同盟90（ドイツ語: Bündnis 90, B90）は、東ドイツに存在した政党連合です。東ドイツの民主化運動において重要な役割を果たし、その後、緑の党と合併して同盟90/緑の党|同盟90_緑の党となりました。日本語では「90年連合」や「連合90年」と訳されることもあります。

東ドイツ民主化における役割

1990年に行われた東ドイツ人民議会選挙は、ドイツ再統一前最後の自由選挙となりました。この選挙に臨むため、新フォーラム、民主主義を今、平和と人権イニシアティヴという3つの市民団体が選挙連合を結成しました。これが同盟90です。

同盟90は、リベラルな立場から、マルクス・レーニン主義やドイツ社会主義統一党の支配に反対しました。一方で、ドイツ再統一を急がず、東ドイツ独自の民主化を主張する中道左派的な姿勢を採っていました。

しかし、選挙はドイツ再統一への熱狂が焦点となり、同盟90は12議席（得票率2.9%）の獲得にとどまりました。選挙後、同盟90は東ドイツ緑の党と統一会派を組みました。

ドイツ再統一時の動き

ドイツ再統一後、最初に行われた1990年の連邦議会選挙では、旧東西ドイツで別々に5%阻止条項が適用されました。同盟90は緑の党と統一名簿を組んで立候補しましたが、連邦レベルでは1.2%の得票率にとどまりました。しかし、旧東ドイツでは6.1%を獲得し、辛うじて5%を突破したため、8議席を獲得しました。

緑の党との合流

1991年9月21日、同盟90は創設メンバーとなった3つの市民団体が正式に合流して政党となりました。政党としては基本的に緑の党と共同歩調を歩みました。そして1993年5月14日、緑の党と合流し、現在の同盟90/緑の党|同盟90_緑の党となりました。

ただし、政党化をよしとせず、合流せずに地域活動やNGO活動に移った人もいました。

主な選挙での党勢推移

1990年ドイツ民主共和国人民議会選挙

出典：山田徹著『東ドイツ・体制崩壊の政治過程』（日本評論社）380頁、表12-1「選挙結果：各党の得票・議席数」より引用。

ドイツ連邦共和国連邦議会議員選挙

出典：Bundestagswahlen

関連項目

ヨアヒム・ガウク - ドイツの大統領。東独時代に同盟90に所属していました。
マティアス・プラツェック - ドイツ社会民主党に移る前に同盟90に所属していました。

参考文献・外部リンク

* Chronik der Wende:Bündnis 90

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