名古屋拘置所

名古屋拘置所について

名古屋拘置所（なごやこうちしょ）は、法務省矯正局の名古屋矯正管区に所属している拘置施設で、愛知県名古屋市東区白壁一丁目1番に位置します。全国には東京、立川、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡の8つの拘置所が存在しており、名古屋拘置所は名古屋矯正管区内で唯一の拘置所です（拘置支所を除く）。また、名古屋拘置所は一宮拘置支所や半田拘置支所を下部機関として持っています。

歴史

名古屋拘置所は1938年5月に竣工し、同年の7月2日に開所式を迎えました。その後の1945年には戦災により一部が焼失しましたが、1948年に復旧しています。さらに1983年3月には大林組による全面改築工事を経て新たに竣工しました。この拘置所は、日本初の外塀のない高層都市型矯正施設であり、全国の刑事施設と比べ全館に空調設備を設けている点が特徴でした。しかし、2006年には長期間使用されていなかった空調配管の老朽化が発覚。2007年から2008年にかけて新館と本館の増改築工事が行われ、総工事費は約48億円に達しています。

アクセス

名古屋拘置所へのアクセスは、名古屋城駅（名古屋市営地下鉄名城線）の2番出口から徒歩7分、または東大手駅（名鉄瀬戸線）から徒歩1分と非常に便利です。

収容者の種類

この拘置所には、刑事被告人が収容されており、特に東海3県の控訴・上告審の被告人が多く含まれています。また、A級およびW級（女子）の受刑者も収容されており、刑が確定した受刑者は移送先の刑務所が決まるまで、簡単な軽作業を行う日常があります。
さらに、死刑が確定した死刑囚も収監されています。死刑囚が収容されるための死刑場は拘置所内に存在し、絞首刑の執行が1967年から開始されました。1983年には新しい刑場が完成し、東館の地下に設けられています。死刑囚は西館の上層部に収容され、独房については定期的に検査が行われています。

定員および収容状況

名古屋拘置所の収容定員は1,000名で、未決状態の収容者が743名、既決の収容者が257名です。2020年11月時点では、635名が実際に収容されています。

不祥事

過去には、ここで不適切な行為が行われたとされる不祥事も報告されています。2008年1月には、男性刑務官が女性収容者に対してセクハラを行っていたとして問題にされました。また、別の男性職員は、受刑者と格闘技を行ったり、トランプで遊んだりして懲戒免職処分を受けています。

死刑確定者

名古屋拘置所には、主に名古屋高等裁判所管内で死刑が確定した男性と女性の死刑囚が収監されています。2020年10月時点では、11人の死刑囚が収容されており、特に男性が多く、外国籍の死刑囚も含まれています。彼らには特定の呼称番号が付与され、収容環境及び生活については厳格な管理が行われています。

代表的な過去の死刑囚

拘置所内には、過去に死刑を執行された著名な死刑囚も多く存在しました。名張毒ぶどう酒事件で死刑になった奥西勝氏や、名古屋女子大生誘拐殺人事件の木村修治氏などがその一例です。これらの事件は社会に大きな衝撃を与え、その後の法律や制度にも影響を与えました。

名古屋拘置所は、現在でも多くの人々にとって注目される存在であり、その歴史や機能についての理解を深めることは、刑事司法制度を考える上で重要な要素となっています。

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