名豊道路

名豊道路（めいほうどうろ）

名豊道路は、愛知県豊橋市から豊明市に至る国道23号のバイパスであり、地域高規格道路としての名称でもあります。ここでは、主にバイパスとしての名豊道路について解説します。

概要

名豊道路の構想は、1962年頃に静岡県舞阪町（現・浜松市中央区）から愛知県を経て三重県桑名市を結ぶ道路の必要性が提唱されたことに始まります。愛知県は1964年に「愛知街道」として道路開発の妥当性を調査しました。

一方、国の機関である建設省中部地方整備局も1964年に第2東海道計画の一環として調査を開始し、1966年には基本的なルートや構造が確立されました。これが「名豊道路計画」として、名古屋市と豊橋市を結ぶ大規模なバイパス事業へと発展しました。

1972年に知立バイパスが事業化されて以降、建設が進められています。国道1号と並行するものの、実質的には国道1号のバイパスとして機能し、名古屋港、衣浦港、三河港といった臨海部の港湾や工業地帯、農業地帯を結び、愛知県における東西の広域交通を担い、国道1号の渋滞緩和に貢献しています。

名豊道路は、以下の5つのバイパスで構成されています。

1. 豊橋東バイパス
2. 豊橋バイパス
3. 蒲郡バイパス
4. 岡崎バイパス
5. 知立バイパス

蒲郡バイパスの一部区間は用地取得の難航により工事が長期化していましたが、2025年3月8日に全線開通予定です。全線開通により、名古屋市内と浜松市内が信号なしで接続されるようになります。

地域高規格道路としての名豊道路は、名四バイパスの名古屋南IC - 豊明IC間を含み、豊橋バイパスの一部区間は含まれません。当該区間は、豊橋浜松道路の一部を構成します。

各バイパスの詳細

豊橋東バイパス: 豊橋市街地の南東から南方にかけて迂回する区間。地域高規格道路「豊橋浜松道路」の一部を構成し、静岡県との県境付近に位置する豊橋東ICを起点とします。2013年6月に全線開通し、三河港から浜松市までのアクセスが向上しました。
豊橋バイパス: 豊橋市街地の南方から北西にかけて迂回し、豊川市に至るバイパス。前芝ICを境に、地域高規格道路「豊橋浜松道路」と「名豊道路」の一部を構成します。三河港周辺の自動車産業の輸出拠点を結び、東名高速道路や中部国際空港へのアクセス向上を目指しています。2012年に全線開通し、2013年には一部区間が4車線化されました。
蒲郡バイパス: 名豊道路の中で唯一トンネルがあるバイパス。地域高規格道路「名豊道路」の一部であり、他の4つのバイパスとともに国道23号および並行する国道1号のバイパス機能を担います。2025年3月8日に全線開通予定。
岡崎バイパス: 岡崎平野を通過するバイパスですが、岡崎市域は通過しません。幸田須美IC以西の旧道は愛知県道383号蒲郡碧南線に降格されています。2007年に全線開通し、その後4車線化工事が進められています。
知立バイパス: 名豊道路の中で最も早く事業着手されたバイパス。国道1号や国道23号の渋滞緩和と、衣浦臨海工業地域の開発促進を目的として計画されました。1989年に全線開通し、2009年には全線高架化されました。

データ

起点: 愛知県豊橋市東細谷町（豊橋東IC）
終点: 愛知県豊明市阿野町（豊明IC）
総延長: 72.7 km（うち供用延長 59.4 km）
車線数: 4車線（一部暫定2車線）
通行料金: 無料（全線）

歴史

名豊道路は、1964年に建設省（当時）が「第2東海道」として計画したことに始まります。1972年に知立バイパスが事業化され、その後、各バイパスの建設が進められてきました。2025年3月には蒲郡バイパスが全線開通予定であり、更なる利便性向上が期待されています。

もう一度検索