吏員

吏員について

日本の公務員制度において「吏員」という用語は、主に地方公務員を指します。これに対して国家公務員は「官吏」と称されます。一般的には、吏員と呼ばれる際は、通常の職務に従事する一般職の公務員を指すことが多いです。この章では、吏員に関する詳細やその役割について解説します。

吏員の法令における用法

法令や条文によって、吏員の定義は異なることがあります。旧地方自治法では、地方公務員を指す言葉として「吏員」が使用されていましたが、平成18年度の改正により、統一して「職員」という言葉が用いられるようになりました。

現在の法令では、たとえば日本国憲法の第93条第2項や会社法の826条などでこの用語が見られます。また、消防吏員や徴税吏員といった具体的な職務に関連する用語も今なお法令で使われ続けています。

旧地方自治法と吏員の位置づけ

旧地方自治法第153条では、吏員は地方公共団体の長（知事や市町村長）、副知事（助役）、出納長（収入役）、議会議員などの特別職の公務員も含まれていました。特に、これらの役職は公務員全体の中でも特別な地位を占めています。

また、旧地方自治法第172条においては、地方公共団体の長を補助する立場の特別職ではなく、一般職としての吏員の範囲を定めていました。このことは、戦前の「官公吏」と「雇用人」との区分に由来しています。

具体的には、一般職の吏員は行政事務を担当する事務吏員と、技術業務を担う技術吏員に分類されていました。しかしながら、地方の業務が複雑化し多様化する中で、これらの区分は次第に明確ではなくなりました。

平成18年度法改正

平成18年度に行われた法改正では、「吏員」と「その他の職員」や「事務吏員」と「技術吏員」などの区別が廃止されました。これは、地方公共団体の組織運営の効率化を図る目的で行われました。結果的に、公務員の要件は「職員」という一つの用語に集約され、役職やその職務に応じた機能の明確化が図られることとなりました。

このように、吏員という用語には歴史的背景があり、また法制度の変遷を経て現在に至ります。吏員は地方公務員制度の中で重要な役割を果たしており、地方公共団体の運営に欠かせない存在です。

参考文献

• - 国立国会図書館『日本法令索引〔明治前期編〕 ヨミガナ辞書』（2007年）

関連項目

• - 雇員（こいん）：吏員の業務を補助した者
• - 傭人（ようにん）：単純な労務に従事した者
• - 官吏
• - 公務員
• - 地方公務員

外部リンク

• - 日本国憲法 - e-Gov法令検索
• - 地方自治法 - e-Gov法令検索

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