向山古墳群

向山古墳群について

向山古墳群（むこうやまこふんぐん）は、鳥取県米子市淀江町福岡に位置する重要な古墳群です。この古墳群は国の史跡に指定されており、伯耆地方における最大規模の首長墓群として知られています。1932年に岩屋古墳（1号墳）が国の史跡に指定され、続いて1999年にはその他の古墳も追加され、名称が「向山古墳群」に変更されました。

古墳群の概要

古墳群は通称「向山」と「瓶山」と呼ばれる丘陵に展開しており、これまでに前方後円墳9基、円墳5基、方墳2基、不明のもの1基が発見されています。全体で17基が確認されており、その歴史的な価値が高く、現在は「伯耆古代の丘」として整備されています。今後、さらなる整備が進む予定です。また、近くには淀廃寺跡や妻木晩田遺跡も存在し、地域の歴史を探る上で重要なスポットとなっています。

主な古墳

岩屋古墳

岩屋古墳は向山1号墳にあたる前方後円墳で、全長52メートル、高さ6メートルという立派な規模を誇ります。この古墳は6世紀の後半に築造されたと考えられており、墳丘は2段構造で、葺石も施されています。江戸時代中頃にはすでに石室が開口していたことが記録に残されており、内部は横穴式の複室構造を持つ精美な石棺に埋葬されています。遺物としては、箱式の石棺や土器、円筒埴輪、さらに人物や馬、水鳥の形象埴輪なども出土しています。

長者ヶ平古墳

長者ヶ平古墳は向山5号墳で、全長48メートルを誇る帆立貝型の前方後円墳です。6世紀中頃に築かれたとされており、内部には大規模な横穴式石室があります。内壁はベンガラで彩色され、鉄刀や鉄鉾が立てかけられ、奥には石棺が安置されていたという記録があります。さらに、明治時代には小規模な石槨から珍しい金銅製の冠や三累環頭大刀が出土し、現在は東京大学の資料館で保管されています。

文化財としての位置づけ

向山古墳群はその文化財としての重要性から、国の史跡に指定されています。特に岩屋古墳は1932年に初めて指定され、その後の追加指定により、今の名称が使用されるようになりました。このように、向山古墳群は日本の古代史を物語る重要な遺産であり、地域の文化や歴史を学ぶための貴重な資源です。

参考文献

• - 『向山古墳群（淀江町埋蔵文化財発掘調査報告書 第17集）』淀江町教育委員会、1990年。

外部リンク

• - 向山[古墳群]] - [国指定文化財等データベース（文化庁）
• - 国史跡 向山古墳群 - 米子市ホームページ

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