向日町駅

JR向日町駅：歴史と未来が交差する駅

JR向日町駅は、京都府向日市寺戸町久々相に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）と日本貨物鉄道（JR貨物）が乗り入れる東海道本線の駅です。駅番号はJR-A34で、「JR京都線」の愛称区間にも含まれています。

駅の歴史と概要

1876年（明治9年）、官設鉄道大阪駅延伸の際に開業したJR向日町駅は、京都府内でも最も歴史の古い鉄道駅のひとつです。開業当初は西口のみでしたが、2026年冬を目処に、橋上駅舎への大規模改築と東口新設工事が進められています。

東口の駅前広場整備と合わせて、5階建ての駅ビルと高さ128mの超高層マンションの建設も予定されており、このマンションは京都府内で最も高いマンションとなる見込みです。周辺地域では、向日町上鳥羽線や牛ケ瀬勝竜寺線の整備、駅南東部の森本東部地区の土地区画整理事業も計画されており、既にニデックの新拠点「ニデックパーク」も進出しています。

向日市の中心部にある阪急電鉄京都線東向日駅からは約500mの距離に位置し、駅周辺は、古くからの住宅街と新しい開発地区が混在するエリアとなっています。駅構内は、京都市南区との境界線があり、歴史と現代が複雑に絡み合う場所でもあります。興味深いことに、1972年の向日市市制施行後、近隣の阪急電鉄の駅名は改称されましたが、JR向日町駅はそのままの名称を維持し続けています。

駅の変遷

JR向日町駅の歴史を振り返る年表は次の通りです。

1876年（明治9年）7月26日: 大阪駅から延伸した官設鉄道の終着駅として開業。
1876年（明治9年）9月5日: 官設鉄道が大宮通仮停車場まで延伸、途中駅となる。
1895年（明治28年）4月1日: 線路名称制定、東海道線（1909年より東海道本線）所属となる。
1966年（昭和41年）7月1日: 駅舎改築。
1972年（昭和47年）10月1日: 向日市の市制施行。
1985年（昭和60年）3月14日: 快速列車停車対応のため、ホーム増設。
1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化により、JR西日本・JR貨物管理下に。
1988年（昭和63年）3月13日: 路線愛称「JR京都線」の使用開始。
1997年（平成9年）6月21日: 自動改札機設置。
1999年（平成11年）6月24日: 住友大阪セメント向日町サービスステーション専用線廃止。
2002年（平成14年）7月29日: JR京都・神戸線運行管理システム導入。
2003年（平成15年）11月1日: ICOCA利用開始。
2006年（平成18年）3月27日: 貨物列車設定廃止。
2007年（平成19年）3月18日: 駅自動放送更新。
2014年（平成26年）5月25日: エレベーター、多目的トイレ設置。
2015年（平成27年）3月12日: 接近メロディー導入。
2018年（平成30年）3月8日: みどりの窓口営業終了。
2018年（平成30年）3月9日: みどりの券売機プラス利用開始。
* 2018年（平成30年）3月17日: 駅ナンバリング導入。

かつては、日本石油・シェル石油の油槽所、陸上自衛隊桂駐屯地、キリンビール京都工場（1999年8月閉鎖）への専用線も存在していました。

駅構造と利用状況

JR向日町駅は、島式ホーム2面4線の地上駅で、12両編成に対応しています。外側線（1・4番のりば）には柵があり、旅客列車は内側線（2・3番のりば）に停車します。京都貨物駅からの貨物専用線も合流しており、京都総合運転所への入出庫駅としての機能も持ち合わせています。駅舎は線路の西側にあり、ホームへは連絡地下道とエレベーターでアクセスできます。

2022年度の1日平均乗車人員は約7,284人です。近年では、桂川駅の開業によるバス路線変更の影響などもあり、利用者数の変動が見られます。

駅周辺情報

駅周辺には、JR西日本の吹田総合車両所京都支所（旧・向日町運転所）、京都府道207号線、歴史的な建造物である物集女車塚古墳、竹の径、桓武天皇皇后陵などがあります。駅東側へのアクセスは、駅北側の地下道、または駅南側の地下道と踏切を利用する必要があります。

バス路線としては、阪急バス大山崎営業所とヤサカバスが運行されており、「JR向日町駅」または「JR向日町」停留所から様々な方面へのアクセスが可能です。向日市コミュニティバス「ぐるっとむこうバス」も利用できます。

隣の駅

JR向日町駅は、歴史と近代的な開発が融合する、活気ある駅です。今後の発展も期待されます。

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