京都総合運転所

京都総合運転所：栄光の足跡と関連施設

京都総合運転所は、かつて京都府向日市に本所を構え、滋賀県にも派出所を持つ、西日本旅客鉄道（JR西日本）の重要な車両基地でした。ここでは、その概要、歴史、関連施設について詳しく解説します。

京都総合運転所の概要

近畿統括本部が管轄し、多種多様な特急形車両が配置され、西日本における優等列車の運用を担っていました。その運用範囲は、北は青森から南は九州までと非常に広範囲に及び、名門車両基地として知られていました。

2012年6月1日の検修体制見直しに伴い廃止され、本所は吹田総合車両所京都支所へ、野洲派出所は網干総合車両所宮原支所野洲派出所へ、米原派出所は網干総合車両所宮原支所米原派出所へ、それぞれ継承されました。

本所（向日町）

本所は、京都府向日市に位置し、東海道本線（JR京都線）の向日町駅と長岡京駅の間にありました。京都総合運転所に所属していた全車両がここに配置されていました。

隣接するレール溶接設備からは、京都貨物駅発のレール配給列車が運行され、長物車チキが配置されていました。構内は、東から順に東着発線・中線、検修庫・西発線、西着線・西留置線に分かれており、機回し線や転車台も備えていました。

野洲派出所

滋賀県野洲市に位置し、JR神戸線・JR京都線・琵琶湖線・草津線で運用される列車の整備・留置を行っていました。宮原総合運転所の多客期用車両の留置場所としても利用され、かつては修学旅行用車両の拠点ともなっていました。車両の配置はなく、電留線、検修施設、乗務員宿泊所のみが存在し、入出区は京都側に限定されていました。

米原派出所

滋賀県米原市に位置し、琵琶湖線、東海道本線（JR東海区間）、北陸本線の各種列車の整備・留置に使用されていました。かつての「米原機関区」の名残であり、電留線のみが設けられています。

過去に存在した組織

野洲電車区
野洲電車区米原派出所
向日町運転所
向日町運転所京都派出所

所属車両を示す略号

車両の車体に記される略号は、所属組織の略号と京都の電報略号「キト」で構成されていました。国鉄時代は「大ムコ」、JR発足後は「近ムコ」、後に「本ムコ」、「京ムコ」「京キト」を経て、「近キト」となりました。

廃止直前の所属車両

2012年4月1日時点での所属車両は以下の通りでした。

電車

583系：臨時夜行急行「きたぐに」に使用
681系・683系：特急「サンダーバード」「びわこエクスプレス」に使用
113系：嵯峨野線・湖西線・草津線で運用
117系：草津線・湖西線で運用
221系：嵯峨野線・湖西線・草津線で運用
クモヤ145形：牽引車
クモル145形：配給車
443系：電気検測車

気動車

キハ189系：特急「はまかぜ」に使用
キヤ141系：軌道・信号通信試験車

貨車

チキ5500形・6000形・7000形：レール輸送用長物車
ホキ800形：バラスト輸送用ホッパ車

過去の所属車両

485系：特急「雷鳥」などで運用
キハ65形：「エーデル丹後」「エーデル鳥取」として運用
キハ181系：特急「はまかぜ」などで運用

向日町運転所時代

向日町運転所時代には、24系、12系、14系などの客車や、キハ47形、キハ58系などの気動車も配置されていました。

歴史

元々は京都駅構内にあった京都客車区が前身です。東海道新幹線の建設に伴い現在地に移転しました。

年表

1920年：京都検車所が開所
1951年：京都客車区に名称変更
1961年：向日町運転区として開設
1964年：向日町運転所に改称
1987年：JR西日本に承継
1996年：向日町運転所と向日町操車場が統合し、京都総合運転所が発足
2010年：近畿統括本部の管轄に変更
2012年：組織改正により廃止

向日町操車場

京都総合運転所から東海道本線へ入出区する停車場として名称が残っています。

野洲電車区

1966年に高槻電車区野洲派出所として発足し、1970年に野洲電車区として独立しました。関西 - 九州を結ぶ寝台客車列車や583系寝台特急電車などの整備を行っていました。

歴史

1966年：高槻電車区野洲派出所として発足
1970年：野洲電車区として独立
1990年：米原列車区野洲派出所になる
* 1996年：京都総合運転所野洲派出所になる

京都総合運転所は、その長い歴史の中で、西日本の鉄道輸送を支える重要な役割を果たしてきました。その名残は、現在の吹田総合車両所京都支所や網干総合車両所宮原支所の各派出所に受け継がれています。

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