君健男

君健男の生涯：医師、官僚、そして新潟県知事

君健男（きみ たけお）は、1911年12月22日に新潟市で生まれ、1989年4月20日に77歳でその生涯を閉じました。医師としてのキャリアをスタートさせましたが、後に官僚、そして政治家へと転身し、新潟県の発展に大きく貢献した人物です。

生い立ちと医学への道

君健男は、君修一郎の長男として誕生しました。新潟県立新潟中学校、官立新潟高等学校を経て、1936年3月に官立新潟医科大学（現在の新潟大学医学部）を卒業。医学博士の学位を取得しました。卒業後、すぐに兵役に応召しますが、1940年には栃尾町の診療所で内科部長を務めるなど、医師としての経験を積みました。その後、日本光学病院での勤務を経て、再度応召を経験しています。

行政官としてのキャリア

1947年、君健男は新潟県庁に入庁し、行政官としてのキャリアをスタートさせました。予防課長、公衆衛生課長、衛生部長といった要職を歴任し、1962年には総務部長に就任。1965年から7年間は副知事として県政を支えました。

政治家としての転身

1972年、君健男は参議院議員選挙に自由民主党公認で立候補し、当選。田中派に所属し、国政の舞台でも活躍しました。しかし、1974年には新潟県知事選に立候補するため議員を辞職。激戦を制し、新潟県知事に就任しました。以後、4期にわたり県知事を務め、県政の発展に尽力しました。

新潟県知事としての功績

知事在任中、君健男は上越新幹線、関越自動車道、北陸自動車道といった高速交通網の整備を推進しました。また、テレビ新潟や新潟テレビ21といった放送局の開局にも貢献し、県民の生活を豊かにしました。

晩年と死

1989年3月、君健男は体調を崩し入院。癌の告知を受けました。病床でも職務への責任を果たそうとし、副知事に後事を託し、自民党幹部や田中角栄に手紙を送りました。1989年4月19日に県知事を辞職。翌日、胃癌のため77歳で逝去しました。

その功績を称え、死没日に勲一等瑞宝章が追贈され、従三位に叙されました。後日、県民葬が執り行われ、多くの人々がその死を悼みました。

人となりとエピソード

君健男は、ヴァイオリンを趣味とし、夫人はピアニストという音楽一家でした。県民の前でオーケストラの指揮を執ることもあり、その多才ぶりを示しました。

まとめ

君健男は、医師として、官僚として、そして政治家として、常に人々のために尽力しました。特に新潟県知事としては、インフラ整備やメディアの発展に貢献し、県民の生活水準を向上させました。その功績は、今もなお語り継がれています。彼の生涯は、地方政治におけるリーダーシップと、人間としての温かさを兼ね備えた人物像を示しています。

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